2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring methods to evaluate cloud-resolving models using satellite data simulators(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0157
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
増永 浩彦 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 准教授 (00444422)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 熱帯気象学 / 衛星地球観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度10月5日から10月29日までの一か月弱のあいだフランス気象力学研究所(ピエールマリーキュリー大学内、パリ第5区)に滞在した。平成29年度に続く二回目の訪問で、共同研究者Sandrine Bony博士と研究進捗について議論を重ねた。議論の主題はおもに、Bony博士および英国レディング大学のChris Holloway准教授らとともに進めつつある熱帯対流雲の自発的凝集化(Convective Self-aggregation)の衛星観測検証と、米国マイアミ大学Brian Mapes教授とともに新たに着手した熱帯亜熱帯境界の動態解明である。前者の対流雲自発的凝集化とは、当初広域に無秩序に散在していた積乱雲が時間を経るに従い自ずと結集して巨大な対流雲システムとその周囲の乾燥した快晴域へと一方的に分化する現象であり、数値モデルシミュレーション研究で発見されて以来多数の既存研究により理解が進みつつあるが、現実大気で同様の現象が実際に確認されるかについてはまだ統一的な見解が得られていない。現在私たちはBony博士らが提案した自発的凝集化の定量化指標(SCAI)を用いて、衛星データ解析において自発的凝集化の兆候を調査しその物理メカニズムを探究しており、本課題終了後も引き続きBony博士らとの密接な連携のもと研究を継続する。熱帯亜熱帯境界の動態解明については、今後また別プロジェクトの一環として深化させていく予定である。なお平成30年度パリ滞在中には、パリ高等師範学校のCaroline Muller博士の招きにより同校でセミナー講演を行うとともに、ピエールマリーキュリー大学を会場に開かれたGEWEX (全球水エネルギー循環観測計画)UTCC PROES(対流圏上層雲および対流プロセス評価研究)会合に出席し、研究成果発表を行った。
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