2016 Fiscal Year Research-status Report
レーザー生成超強磁場を用いた高エネルギー量子ビーム制御と実験室X線天文学(国際共同研究強化)
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15KK0163
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 慎介 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (40372635)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 強磁場 / 高エネルギー密度科学 / 高出力レーザー / 実験室天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年4月上旬からの渡航に向けて,ローレンスリバモア研究所の担当者との必要書類のやり取りを行い,2月にVISAを取得した.また,米国ローレンスリバモア研究所で研究するために必要な条件を満たした長期旅行保険への加入を行った.2017年4月からの渡航準備は整った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載の通り,2017年4月から渡航する準備が整った.研究活動は2017年4月以降に開始する.
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Strategy for Future Research Activity |
2017年4月上旬に渡米し,ローレンスリバモア研究所における研究を開始する.米国では複数のレーザー装置を用いて実験を行う.ローレンスリバモア研究所には,Jupter Laser Faclity (JLF)とNational Ignition Facility(NIF)の二つのレーザー装置がある.6月にはJLFでの実験を行う.レーザー駆動キャパシター・コイルターゲットを用いて,数100Tの磁場を発生させ無衝突衝撃波を発生させる.無衝突衝撃波による効率的なプロトン加速を実証するのが目的である.7月にもJLFでの実験を行う.ここでもレーザー駆動キャパシター・ターゲットを用いて磁場を発生させ,その中に低密度のエアロジェルターゲットを設定する.磁化された低密度プラズマ中でのレーザープラズマ相互作業特にパラメトリック不安定性に関する計測を行い,熱電子の非等方性に起因するパラメトリック不安定性の抑制効果の有無を実験的に明らかにする.12月頃にはNIFでの実験を行う.高強度レーザーを用いて発生させた強磁場を,exploding pusher targetを用いて圧縮し,10 kTを越える強磁場の発生を目指す.レーザー生成強磁場を実験室天文学に応用する上で,10 kTを越える磁場の実現は一つのマイルストーンである. 米国ロチェスター大学のレーザーエネルギー学研究所(Laboratory for Laser Energetic)のOMEGA及びOMEGA-EPレーザーも重要な装置である.6月にはOMEGAレーザーにある,パルス磁場装置を用いて,レーザー加速電子の磁場ガイディングの実験を行う.また8月にはOMEGA-EPレーザーを用いて,レーザー生成強磁場のエネルギースケーリングに関する実験を行う. 多くの実験が予定されており,レーザー生成磁場の理解が大きく進むと期待している.
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