2020 Fiscal Year Research-status Report
水圧破砕によって誘発される地震のメカニズムの解明(国際共同研究強化)
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15KK0171
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
金 亜伊 横浜市立大学, 理学部, 准教授 (00633851)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | 誘発地震 / 水圧破砕 / 地震のメカニズム / 地震の発震機構 / 地震の破壊過程 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は水圧破砕によって誘発される地震のメカニズムを明らかにする事を目的としている.水圧破砕はシェールガス開発等において使用される技術で,国内においても生産実験が開始される等近年注目を浴びている。しかし当該技術が開発の生産性をあげる一方で,有感地震や帯水層汚染の報告にその安全性が懸念されている.誘発地震の発生のメカニズムについての知見を深めることで, 流体注入による亀裂の生成,成長と貯留層の特性に対する理解が進み,帯水層汚染や周辺断層への刺激による災害を抑制し,安全かつ効率的な資源開発の実現に貢献する事を目指している. 本研究は基課題が2013年に開始し, 国際共同研究強化については2015年度開始を予定していたが, 代表者の産前, 産後, 育児休暇などにより開始が大幅に遅れてしまった. そのことによって連携先の状況や, 研究課題を取り巻く環境に変化が生まれている. そのため今年度は連携先と相談しながら予定した研究計画を見直した. 当初予定していたモーメントテンソル解析や応力降下量の解析については先方での研究が進んでいるので, その先に予定していた大きな地震に関する震源時間関数及びすべり量分布について解析し, 誘発地震のメカニズムについての理解を深める事を目指す. 今年度はまず当初使用予定の連携先にある膨大な観測記録の整理をし直すところから始まり, 数個の大きめの地震から震源時間関数を得ることができた. 今後は解析する地震を増やし, 震源時間関数やすべり量に関する時空間変化について検証し, それらの破壊様式を支配する要因について調べていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
進捗が遅れているのには大きく二つの理由があり, 一つは代表者の産前, 産後, 育児休暇により, 当初予定していたより研究開始時期が5年遅れてしまっていることにある. これにより連携先の状況や本研究課題を取り巻く状況に変化があったため, 連携先との調整や研究計画の見直しを迫られている. 研究計画当初に使用する予定であったデータも現在は整理がなされていなく, 一から整理し直す状況なのでこちらに時間がかかっていることも原因の一因である。 二つ目はコロナ禍により代表者の学務や教務における負担が倍増した. また子供の預け先が無く在宅での勤務がままならない状況が続いたことが大きな原因である.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度前半では引き続きデータの整理を行いながら大きめの地震についての震源時間関数を求めそれらの時空間変化を検証する. 後半では断層面上におけるすべり量分布や応力降下量分布が解析可能な地震に関してそれらを求め, それらの破壊様式を支配するような要因を見つけられるかを検証する. 連携先へは今年度末までに渡航予定ではあるが, コロナ禍の状況次第で延期せざるを得ない状況もあると考えている. 幸いリモートでのミーティングが行える状況であるので、渡航できない間も相手先とは密に連絡を取り合い進捗を共有する予定である.
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