2017 Fiscal Year Research-status Report
気候変動に伴う赤道準2年振動の変化メカニズムの解明(国際共同研究強化)
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15KK0178
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
河谷 芳雄 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 統合的気候変動予測研究分野, 主任研究員 (00392960)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 赤道準2年振動 / 中層大気 / 予測可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
水平解像度120km、鉛直解像度550m、モデル上端47kmにして、昨年度実験を行ったMIROC気候モデル(東京大学、国立環境研究所、海洋研究開発機構で共同開発された全球数値モデル)データを用いて、赤道準2年振動(QBO)の基本的な再現性と、季節予報可能性についての解析を引き続き行っている。 研究代表者のモデルは、現在行われているQBO気候モデル国際比較プロジェクト(QBOi)の中で、非定常重力波パラメタリゼーションを用いずともQBOを再現している唯一なモデルである。つまり、同パラメタリゼーションの不確実性を取り除いたQBO研究が可能になる。申請者のモデル結果を他機関のモデル群と比較する事で、重力波パラメタリゼーションが引き起こす影響についても考察可能である。 研究代表者はQBOiプロジェクトの主要メンバーとして、関連する研究者との対面での議論、及び2ヵ月に1回開かれる定期的なテレビ会議を通して議論を継続してきた。その結果、各研究機関の気候モデル実験データを解析した最初の論文を発表するに至った(Butchart et al. 2018)。 QBOiマルチ気候モデルデータを用いた、QBOの季節予報可能性に関するデータ解析も継続しておこない、各モデルの利点・欠点、重力波パラメタリゼーションに伴う不確実性の検証、予報における解像度依存性を含めて検討を行っている。現在論文執筆の為の準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した計画に沿って気候モデル実験及びデータ解析を行い、国際共同研究の最初の共著論文が成果として出ている。引き続き共著論文作成の為のデータ解析と共同研究者との議論を活発に継続しており、おおむね順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に沿って、引き続き本研究に必要な気候モデル実験を行い、各種観測データ、他の研究機関のモデルデータ解析と合わせて成果をまとめ、国際共著論文化していく。
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