2017 Fiscal Year Research-status Report
C-H結合活性化を用いた新規フラーレン及びその部分骨格を有するn型半導体の開発(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0180
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金 鉄男 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80431493)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | S,N-ヘテロアセン / キノイド構造 / n型半導体 / π拡張半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新規官能基化フラーレン及びその部分骨格の合成と物性研究を行い、国際共同研究を通してエネルギー問題解決に役立つ新規n型半導体材料の効率的な合成と新機能の創出を目的とする。 今回我々は、チオフェンおよびピロール環を含む5種類の新規高度π拡張したジシアノメチレン-S,N-ヘテロアセンキノイドの合成と物性研究を行った。新たに合成した新規キノイドは溶液中で長い吸収波長を示した。特に、最も長いπ共役系を有するJH10キノイド化合物は溶液中の880nmの吸収波長に比べ、薄膜状では1260nmの吸収波長を示した。この結果はJH10キノイドが固体状態での強い分子間の相互作用を有していることを示す。また、新規JHキノイドは-4.09~-4.22eVと言う低いLUMOエネルギーを有していることからn型半導体としての有力な候補である。更に、JH10キノイドは-5.18eVの高いHOMOエネルギー準位を示しており、本化合物は両極性半導体としての応用が可能であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では高度にπ拡張したS,N-ヘテロアセン骨格を有するキノイド化合物の合成に成功し、その物性研究により高機能性n型半導体として可能性を明らかにした。本研究は高く評価され国際誌のBull. Chem. Soc. Jpn. 2017, 90, 789-797に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はπ拡張S,N-ヘテロアセン骨格を有する新規n型半導体のキノイド合成に成功した。今後はこれまでの触媒的C-H官能基化およびタンデム型一電子酸化反応を拡大することで、フラーレンの部分骨格を有する窒素を含む新規6員環-5員環縮環化合物および6員環-7員環縮環化合物の合成と物性研究を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Comparative Study of Single and Dual Gain-Narrowed Emission in Thiophene/Furan/Phenylene Co-Oligomer Single Crystals2017
Author(s)
Hui Shang, Hidekazu Shimotani, Susumu Ikeda, Thangavel Kanagasekaran, Kazuaki Oniwa, Tienan Jin, Naoki Asao, Yoshinori Yamamoto, Hiroyuki Tamura, Kenta Abe, Miyuki Kanno, Masayuki Yoshizawa, Katsumi Tanigaki
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Journal Title
J. Phys. Chem. C
Volume: 121
Pages: 2364-2368
DOI
Peer Reviewed
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