2017 Fiscal Year Research-status Report
細胞―材料界面と細胞膜表面の分子プロセス解析に基づく新しいバイオマテリアルの創成(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0184
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 智広 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (30401574)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | ナノバイオテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究では、基盤研究(B)「細胞―材料界面と細胞膜表面の分子プロセス解析に基づく新しいバイオマテリアルの創成」の研究目標をさらなる拡張を目指した。平成26-27年度前半にかけて、近接場光学、原子間力顕微鏡技術を組み合わせ、当初の目的であった材料に接着した細胞膜表面の受容体タンパクの2次元分布のナノスケール分解能解析、足場タンパク質の形成過程のリアルタイム計測技術を確立した)。上記の解析技術はHeLa細胞、血管内皮細胞(HUVEC)などのモデル細胞系で確立し、医用工学分野の具体的な課題解決を目指した。本研究では外部刺激に対する細胞の応答をより包括的に議論するために、バイオインターフェース、バイオマテリアル分野で世界的にトップレベルにあるシンガポール ナンヤン工科大学 Prof . Namjoon Cho(人工脂質膜、細胞プラットフォームが専門), Prof. Lay Poh Tan(幹細胞の分化制御,遺伝子解析が専門)と連携し、以下の2点に焦点を絞り、研究を発展させることが出来た。 1.高選択性を保持した細胞への情報伝達を可能とする不活性表面および疑似細胞膜プラットフォームの構築、およびそれを用いた細胞への刺激付与(情報伝達) 2.細胞への刺激付与と細胞膜表面の分子応答プロセスと細胞内の遺伝子発現、および巨視的な細胞応答(接着、分化、細胞死など)の解析 この2つの技術を上記のモデル細胞に加え、骨芽・破骨細胞、幹細胞、神経細胞など、それぞれ高齢医療、再生医療、神経系欠損治療に重要な細胞・組織に関して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本国際共同研究を通じて、 1.高選択性を保持した細胞への情報伝達を可能とする不活性表面および疑似細胞膜プラットフォームの構築、およびそれを用いた細胞への刺激付与(情報伝達) 2.細胞への刺激付与と細胞膜表面の分子応答プロセスと細胞内の遺伝子発現、および巨視的な細胞応答(接着、分化、細胞死など)の解析 を2点を達成することが出来た。これは当初予定していた脂質2重膜を基板とする細胞プラットフォームのプロトタイプの作成という目標を大きく上回ることが出来、さらに情報科学的な手法も融合させ、今後の足場材料材料に対する細胞応答の相関解析へも発展させることが出来た。以上により当初の計画以上に進展していると結論した。
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Strategy for Future Research Activity |
本国際共同研究においては、主には実験を中心として研究を遂行したが、研究を推進するにあたって情報科学的な手法を用いた相関解析が非常に強力であるという結論に至った。今後は材料に対する細胞あるいは組織応答のビッグデータを取得するためのプラットフォームの構築、およびデータ解析手法の開発が重要となることで意見の一致を見た。
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Research Products
(35 results)