2017 Fiscal Year Annual Research Report
Ice management supporting system for ships and offshore structures in sea ice(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤村 淳司 大阪大学, 工学研究科, 助教 (90359670)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 氷海船舶 / アイスマネージメント / 氷荷重 / 氷板破壊 / 数値計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,氷海域での海底資源開発や環境海洋調査にとって重要な作業の一つである氷海船舶による海底掘削技術の向上に関する研究である.大小様々な海氷が浮遊する氷海中において安全かつ効率良い海底掘削の実現には,船舶と海氷の衝突時に発生する氷荷重を軽減するアイスマネージメント技術(掘削船の運用に障害になる大きな海氷を砕氷船により小さくする作業)の確立と,氷荷重下にある船舶の氷荷重推定および運動制御技術の向上が重要になる.本研究では,上記のために開発した運動計算モデルの実用化を目指し,氷海工学において先行した実績と充実した研究設備を有するノルウェーにおいて,日本国内での実施や取得が困難な氷海域での実験の実施と実測データの収集を行い計算モデルの改良を行った. 本年度は,実氷海を想定した数値計算モデルへの改良と,数値計算モデルの実用化に必要な実氷海の海氷強度や分布データおよび氷海航行中の操船者の運行状況の情報収集を行った.数値計算モデルの改良では,小さな海氷板の船底への沈み込み運動の考慮(簡易3Dモデルの導入),流氷中の船舶の運動制御モデルの導入,そして,実氷海の氷板破壊を表現するための氷板破壊モデルの導入を行った.そして,実氷海域を模した海氷モデルを作製し実用計算に耐える数値計算モデル(実氷海に近い氷況下での船舶の航行シミュレーション)の構築を行った.実氷海データの収集に関しては,実氷海上で実施された氷板破壊荷重測定に参加し,野外での氷板強度計測法を習得した.また,船上観測に同行し,氷海航行中の操船オペレータから操船方法などの情報収集を行った.今回収集したデータは,直接的に開発した数値計算モデルに用いる事はできないが(計測と実船では荷重条件が大きく異なるなどの理由のため),参考データとして使用した.また,習得した計測技術を用いて独自に海氷上での野外計測の実施を考えている.
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