2017 Fiscal Year Research-status Report
体内埋め込み型マイクロチップによる非観血的・連続血糖測定技術の実現(国際共同研究強化)
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15KK0209
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
徳田 崇 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (50314539)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | CMOS / 生体埋め込みデバイス / グルコースセンサ / ワイヤレス電力伝送 / エナジーハーベスティング |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年5月末に、予定していたモントリオール理工科大学(カナダ)での滞在・共同研究活動を終了し、帰国した。 モントリオール理工科大学においては、主としてワイヤレス電力伝送に関するCMOS回路設計・評価等を共研究として実施した。 帰国後は、カナダ滞在中に設計した光電力伝送/エナジーハーベスティング用CMOS集積回路の評価に取り組んだ。 具体的な機能実証として、青・緑のID送出デバイスを実現した。このデバイスに搭載しているCMOSチップには、光によって外部から供給されたエネルギーによって、継続的に低電力回路を駆動する機能と、突発的な大出力を、得られるエネルギーに対して適応的に提供する2種類のワイヤレス電力制御回路を搭載している。これにより、デバイス内部でのシーケンス動作や、ビット列の送信(将来的には受信)も可能となる。 この実証により、生体透過性のある赤色・近赤外光による生体内への電力伝送が可能となり、グルコース計測機能を駆動した上で、得られたデータを送出する基本機能が実現できたといえる。当該成果に関して複数の国際会議と論文発表に至っている。 その後、さらに進んだ形態として、CMOSチップ上に複数の太陽電池セルを搭載したチップに対してポストプロセスを施すことにより、外部太陽電池を不要とする形態の回路の実証にも成功した。これにより、数mmサイズの、埋め込み可能なグルコースセンサ、体内埋め込みセンサを実現できると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体内でグルコースセンサをワイヤレス駆動するための基礎機能の実証に成功した上で、小型化のためのキーテクノロジとなる太陽電池の集積化に成功した。海外滞在時のホスト教授であるMohamad Sawan教授とは密に連携を続け、複数の国際会議論文、学術論文を共同執筆している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実現した、ワイヤレス光駆動/エナジーハーベスティング技術およびデータ送信技術と、グルコース計測技術を組み合わせることによって、バッテリレスワイヤレスグルコースセンサを実現し、機能実証を目指す。
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Research Products
(5 results)