2016 Fiscal Year Research-status Report
術後の骨量減少が生じない傾斜低弾性人工股関節ステムの最適化研究(国際共同研究強化)
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15KK0213
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山子 剛 宮崎大学, テニュアトラック推進機構, 助教 (50452074)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 人工股関節 / 低弾性ステム / リモデリング / 骨量減少 / 初期固定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工股関節全置換術後,大腿骨は人工股関節ステムを設置したことによる力学環境の変化に適応して,様々な骨のリモデリングを生じる.中でも近位部の骨量減少はステムの“弛み”を引き起こすことから,長期生存のために解決が強く求められている.本研究ではヤング率の傾斜機能を持つユニークなチタン合金(Ti-33.6Nb-4Sn)を用いて開発されたステム(TNSステム)の骨量減少の低減効果に関する生体力学研究を実施している.国際共同研究として,平成28年5月9日から同年12月28日までの約8ヶ月間,Radboud大学のOrthopaedic Research Laboratoryに滞在し,有限要素解析を組み合わせた骨再構築シミュレーションに取り組み,術後10年までの骨密度の変化を予測すると共に,TNSステムの力学的な適合性および構造的強度について検討した.TNSステムでは大腿骨近位内側の骨密度は術後2年で14%,10年で46%低下することを予測した.TNSステムを設置した場合,従来のTi-6Al-4V製ステムと比較してその骨密度は43%高く,ヤング率の傾斜機能による高い骨量温存効果を明らかにした.本シミュレーションで得られた結果及び手法を利用することによって術後の骨量減少が生じない理想的なステムが実現できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度,連携先のラボに約8ヶ月間滞在して共同研究を実施してきた.その成果の一部は既に主要な国際会議で発表し,論文は国際共著論文として投稿済みであることから,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得ている解析結果を利用して,TNSステムの形状やヤング率分布を変更した場合の骨量減少低減効果と初期固定性との関係を明らかにする予定である.
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