2017 Fiscal Year Research-status Report
海底地殻変動と海水温変動の高精度検出に向けた統合解析:高密度海域観測網の新活用(国際共同研究強化)
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15KK0218
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
有吉 慶介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地震津波海域観測研究開発センター, 研究員 (20436075)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 海底地殻変動 / 海洋変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,平成28年度に断念した,マサチューセッツ工科大学 (MIT) への長期滞在を6月から実施することが出来た.MIT は,ハーバード大学とも近いこともあり,両大学で海底圧力計の統合解析に関するセミナー発表を行った.その結果,参加者の多くの方から関心を寄せられ,MITの中でも研究分野を横断するかたちで共同研究を我々と共に進める方向で話がまとまった。
5月の JpGU-AGU Joint Meeting では,海底圧力計の統合解析に関する特別セッションを立ち上げた。これは初めての試みであったが、会場内は終始立ち見状態が続くなど、大きな関心が寄せられる結果となった。他にも、平成28年度にUC Berkeleyの滞在で研究の議論をしたChristine Ruhl氏が来日し,さらに交流を深めることが出来た。また、MITの帰りに立ち寄ったカーネギー研究所でも上記と同様の講演を行うなど、計画以上の人脈を築くことが出来た。人脈も広がりつつある。
その後、10月からUC Berkeley に滞在し、海底地殻変動として作用する余効すべり伝播について、共著で論文を執筆することが出来た。Jean-Paul Ampuero 氏とは、長期滞在として訪問することは出来なかったが、メール上および学会会場で、摩擦構成則の理論解析について緻密な議論をすることが出来た。学会発表については,上記の他にも,米国海洋学会(Ocean Science Meeting),米国地球物理学連合 (AGU)@New Orleans に渡米期間中に参加することが出来,効率化を図ることが出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文投稿については、摩擦構成則の理論解析が難解のため、当初より予定が遅れ気味であるが、それだけ関心の高い内容であるため、焦って投稿するよりも内容の正確性を重視して時間を掛けて投稿することにした。
一方で、JAMSTECからNOAA本部 (Washington DC) へ出向している人脈を活用し,NOAA本部でも同様のセミナーを開催した.この際に,津波ブイの話も併せて紹介したところ,PMEL@Seattle の 研究者を紹介してもらえることになった。そこで、Ocean Science Meeting@Portland の学会終了後に Seattle に立ち寄り、研究議論をした結果、Ocean Obs 2019 において観測計画白書への投稿を勧められ、共著で投稿するに至るなど、当初の計画を大きく超えた成果も固まりつつあるため、おおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は最終年度であることから,成果報告のアピールも行う.具体的には,2018年5月に開催される日本地球惑星科学連合大会(JpGU)にて,昨年度と同様に特別セッションを開催する。その後,アジアオセアニア地球科学連合大会(AOGS)でも、国際セッションを開催する。
論文をまとめるに当たり,国際学術誌 (Marine Geophysical Research) に特集号の企画を提案し、採択されたため、上記の学会セッション参加者に投稿を呼び掛けると共に、本研究の成果についても、海底圧力計の観測のレビューとして投稿する予定である。
昨年度は都合により行けなかった,ロードアイランド大学への訪問を行う.この際,効率化を図るため,New York で開催されるWCCM 2018の学会前後に立ち寄る方向で日程を詰める予定である。ここで、海底圧力計のドリフト軽減について議論を行う。11月上旬からの1か月は、UC Berkeley か、Jean-Paul Ampuero の異動先であるフランスを訪問することを検討している。
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Research Products
(3 results)