2016 Fiscal Year Research-status Report
原油増進回収に向けた棒状逆ミセルによる二酸化炭素の粘度増大(国際共同研究強化)
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15KK0221
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
鷺坂 将伸 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (60374815)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 自己組織化 / 超臨界二酸化炭素 / 粘度 / 原油増進回収 / 分子集合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度では、原油増進回収技術開発の促進に重要な、高温・高圧環境に対応可能な小角中性子散乱(SANS)測定用高圧装置の製作に向けて、主要構成部となる高圧セルおよびエクストルーダーを設計・作製した。また、装置の高圧配管部品を購入し、上述のセルおよびエクストルーダーとともに英国ブリストル大学へ輸送した。4月27日から5月25日の約1カ月間に、英国ブリストル大学Prof Eastoeのもとに滞在し、同装置を組み上げ、完成させた。さらに、9月1日から10月1日の約1か月の期間に、同装置を英国ラザフォードアップルトン研究所に移送し、この装置を利用した常温・常圧時でのSANS測定を実施した。これにより、SANS測定用セルとしての健全性を確かめた。 さらに、同海外出張期間に、EMN meeting on Droplet 2016(5/9から5/13, Spain)およびECIS2016(9/4から9/9, イタリア)にて本研究の成果発表を行った。これらの英国滞在期間および学会発表の機会に英国スォンジー大学、バーミンガム大学、クィーンズ大学ベルファストの研究者らと国際共同研究の約束を交わし、共同研究をスタートさせた。また、H29年度に実施する米国ピッツバーグ大学のProf. Robert Enickとメールにて打ち合わせを行い、共同研究の実施予定を立てた。 H28年度の大きな成果としては、上述のように、ラザフォードアップルトン研究所やその他の放射光施設でも、これまで油田のような高温・高圧環境でのSANS測定は行えていなかったが、SANS測定用の新しい高圧装置を英国にて完成させたこと、これによりEOR技術開発の国際共同研究を深化できる道筋ができたこと、そして当該研究に関して英国・米国との広い国際共同研究ネットワーク(5大学+1研究所)を構築できたこと、以上の3点が挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書および交付申請書に記載した国際共同研究が実施され、研究の推進に必要な装置の開発も滞りなく行われたため。また、当該研究に関して、想定よりも多くの新しい共同研究相手が見つかり、国際共同研究ネットワークの輪が広がったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度では、2カ月間米ピッツバーグ大学のProf. Enickのもとで、それまでに開発された棒状会合体の粘度増大効果の評価と、更なる粘度増大を可能にする補助剤システムの探索を行う予定であったが、Prof. Enickと日本側PIの都合がうまく合わず、4月に2週間程度の共同研究を行うのみとなった。一方、Prof. Enickとの共同研究期間が約1カ月半程度短くなった代わりとして、以下の国際共同研究を実施する。まず、5月に約3週間程度英国に滞在し、英国ブリストル大学Prof Eastoeと継続の共同研究を行うとともに、ラザフォードアップルトン研究所にて、昨年完成させた高温・高圧対応SANS測定セルについて、高温・高圧SANS測定に対する使用認可を得るために、耐圧試験および安全性テストを実施し、棒状会合体のSANS測定も行う。さらに、11月頃に、新たな国際共同研究相手となった英国スォンジー大学のDr Shirin Alexanderとともに、上記装置を利用した棒状会合体に関するSANS研究を2週間程度実施する。そして、前年度のProf Eastoeとの棒状会合体に関する共同研究の成果発表を3つの国際学会EMN meeting on Nanoparticles (5月9日から12日、スペイン)、EMN meeting on Surface and Interface(5月23日から26日、韓国)、ACCIS2017 (8月8日から11日、マレーシア)にて行う。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] A New Class of Amphiphiles Designed for Use in Water-in-Supercritical CO2 Microemulsions2016
Author(s)
Masanobu Sagisaka, Shunsuke Ogiwara, Shinji Ono, Craig James, Atsushi Yoshizawa, Azmi Mohamed, Sarah E. Rogers, Richard K. Heenan, Ci Yan, Jocelyn Alice Peach, Julian Eastoe
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Journal Title
Langmuir
Volume: 32
Pages: 12413-12422
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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