2016 Fiscal Year Research-status Report
内包粒子の規則配列構造を外場制御できる新規中空コロイド結晶の作製と機能創出(国際共同研究強化)
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15KK0222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長尾 大輔 東北大学, 工学研究科, 教授 (50374963)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | ナノ材料 / 中空粒子 / 規則配列 / 可動 |
Outline of Annual Research Achievements |
University of MelbourneとCIC biomaGUNEに在籍する海外共同研究者との面談により、サブミクロンサイズのYolk/Shell粒子合成に関する実験指針を立て、その指針に基づき粒子合成実験を国内東北大学で行った。さらにYolk/Shell粒子規則配列体からコア粒子由来の光シグナルを取得できたことを受け、規則配列体に埋め込まれた可動性コア粒子の中空部内での配置ならびに運動について調べた。シリカコアを内包したYolk/Shell粒子規則配列体にMHz帯域の交流電場を印加しても、同コア粒子の配置や運動に大きな変化は見られなかったが、kHz帯域の交流電場を印加したところ、コア粒子は印加電場強度に強く依存する配置ならびに運動を示すようになった。電場を印加しない状態のコア粒子は、シェルによって閉ざされた空間をブラウン運動したが、kHz程度の交流電場を印加すると、低い電場強度においては電場印加と同一方向の運動が抑制され、コア粒子は電場印加に対して垂直な方向に優先的に運動することを明らかにした。さらに電場強度を高めると、印加電場に対して垂直な運動成分も抑制されるようになり、コア粒子はシェルが形成する閉空間の中心部に留まる傾向を示した。このような印加電場強度に依存するコア粒子の配置や運動をさらに検討するため、コア粒子可動域の異なるYolk/Shell粒子規則配列体や、チタニアコアを内包したYolk/Shell粒子規則配列体でもコア粒子の配置や運動を観察した。その結果、コア粒子間距離十分に離れたYolk/Shell粒子規則配列体においては、コア-コア間の相互作用よりもコア-シェル間の相互作用が強く影響する可能性を指摘することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
渡航先との意見・情報交換、研究実績の概要に記した電場作用下でのコア粒子挙動に関する観察、さらにはComsol等の汎用物理シュミレーションソフトを導入し数値解析を行える環境を整えるなど、次年度以降に向けた調整が進み、今後作製すべきコロイド結晶内の可動性コアの配置と運動方向を明確にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書提出時(平成28年5月)においては、平成29年度にオーストラリア、スペイン、オランダ、ドイツ、韓国を訪問し、東北大学で得られたコロイド結晶について評価解析を遂行する予定であったが、平成29年度は海外滞在日程計画に大きな制約が生じる見込みである。本年度および平成29年度の限られた時間で海外共同研究者と密に連絡を取り、新規コロイド結晶を評価解析することで、本コロイド結晶の記憶素子やセンサーへの用途展開を図る。
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Research Products
(10 results)