2017 Fiscal Year Research-status Report
内包粒子の規則配列構造を外場制御できる新規中空コロイド結晶の作製と機能創出(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0222
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長尾 大輔 東北大学, 工学研究科, 教授 (50374963)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2018
|
Keywords | ナノ材料 / 中空粒子 / 規則配列 / 可動 |
Outline of Annual Research Achievements |
コア粒子間距離が十分に離れたYolk/Shell粒子規則配列体に対して交流電場を印加すると、コアとシェル間の相互作用が強く影響する可能性を前年度、指摘したことを受け、本年度はシリカコア、またはシリカとチタニアからなるコアを内包したサブミクロンサイズのYolk/Shell粒子規則配列体を調製し、同配列体に含まれる各コア粒子の電場応答性を調べることにした。液中に分散するYolk/Shell粒子内のコアの運動を直接観察するため、共同研究先であるユトレヒト大学(オランダ)のデバイ研究所の研究グループを訪問し、Liquid cell TEMを利用して微小空間に閉じ込められたコアの運動を観察した。その結果、内包コアが中空粒子内を自由にブラウン運動する様子を直接確認することができた。電場作用下における内包コアの評価については主に日本国内で行った。初めにシリカコアを対象とし、分光光度計による透過スペクトルの取得ならびに光学顕微鏡による直接観察で行った。その結果、分光光度計による評価では、特定周波数の電場印加に対して、粒子配列体を透過する光の量が少なくなることが判明した。さらに電場印加を止めると粒子配列体からの透過光の量が、電場印加前の状態に回復することを明らかにした。透過光量が変化する要因を検討するため、電場作用下での粒子分散・集積状態を光学顕微鏡で直接観察したところ、電極から十分に離れたYolk/Shell粒子は電場印加状態で鎖状構造を形成する一方で、電極付近のYolk/Shell粒子は無秩序に集積する様子が認められた。シリカとチタニアからなるコアを内包したYolk/Shell粒子規則配列体においては、電場印加に対する透過光量の変化が、シリカコアに比べて、大きく現れることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種類の異なるコア粒子を内包させたYolk/Shell粒子の集積状態を、特定周波数の電場印加によって変えられること、さらにはその集積挙動が内包コアの種類によって変化することを明らかにすることができたから
|
Strategy for Future Research Activity |
2次元および3次元的に集積させたYolk/Shell粒子を対象とし、その集積体から得られる光シグナルを評価する。特に電場を主とする外場を印加したときのシグナル変化に着目し、Yolk/Shell粒子内にあるコア粒子由来の光シグナル変化の取得を目指す。内包コアの運動は、主にオランダ国・ユトレヒト大学保有のLiquid Cell TEMを使って引き続き評価する。集積させる粒子については、ドイツ国アーヘン工科大学との共同研究により、その新たな固定化手法を検討する予定である。
|