2016 Fiscal Year Research-status Report
高感度小型磁気共鳴力計測装置による早期アポトーシス検出技術の開発(国際共同研究強化)
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15KK0225
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸田 雅也 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40509890)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 超精密計測 / 微小共振器 / マイクロ流路 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞診断のためのフローサイトメトリの実証のためには,マイクロ流路デバイスと融合させた走査プローブの開発を早急に進める必要がある。そこで、マイクロ流路デバイスの作製と高感度な走査プローブとして期待されるNVセンターを有するダイヤモンドプローブの開発のための基礎実験として、ナノダイヤモンド微粒子のもつNVセンターを利用して、蛍光強度が応力応答に依存し、力学応答センサとして応用することが可能かを検証した。 具体的には、フローサイトメトリのためのマイクロ流路デバイスを、アセンブリングによる新たなマイクロ流路の構築技術を東北大学で開発している。また、電子スピン共鳴法(ESR)による高感度磁気共鳴観測のため,ダイヤモンド微粒子の蛍光感度の応力応答性に着目し、マックスプランク研究所のPhysics at Interfacesグループが所有する、蛍光顕微鏡(FCS)と原子間力顕微鏡(AFM)の複合装置を構築して、蛍光特性を有するダイヤモンドナノ微粒子の蛍光特性の応力特性評価を進めた。 東北大学より、ガラス基板上にダイヤモンドナノ微粒子をほどよく分散させたサンプルを準備した。マックスプランク研究所では、まず、基板上に分散させたナノダイヤモンド微粒子の蛍光特性の計測環境の最適化を進めた。また、ナノダイヤモンドの蛍光特性は、2.87GHzの電磁波により走査することが可能で、2.87GHzもの高周波の電磁波を効率的にナノダイヤモンド微粒子に照射するためのコイルの設計や作製、FCSへのセットアップを行った。FCSによる計測強度計測では、数百ミリワットのレーザー励起光による照射で数十kHzの光子カウンティングするという好条件を見いだし、蛍光強度計測を実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北大学ではアセンブリングによるマイクロ流路の開発を進めた。共同研究先であるドイツ・マックスプランク高分子研究所に行き、東北大学で準備したサンプルを用いて、研究計画に上げていたNVセンターを有する蛍光プローブ評価のためのAFMや蛍光顕微鏡との複合観察装置を構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ダイヤモンドプローブの研究においては、ドイツ滞在期間中に得られた知見をもとに、東北大学内で応力を用いた微小磁気力計測の精査実験をすすめる予定である。また、細胞流路の作製評価を進める。国際共同研究を促進するために、ドイツ・マックスプランク高分子研究所に所属するより研究者を東北大学に招聘し、有機分子の熱応答、質量評価などを実施し、共著論文の出版などより多くのアウトプットが出せるようにする。
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Research Products
(1 results)