2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of environmental management and control in plant factory using plant bioelectric potential response (Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0228
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長谷川 有貴 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90344952)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 植物生体電位 / 収穫後果実 / ガスセンサ / 植物工場 / 環境制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,植物工場や収穫後果実の保管管理など,施設内における植物生育のための環境制御システムの構築を目的として,生体電位測定およびガスセンシングによる環境モニタリングを試みた。これまでの研究において,栽培中のさまざまな植物(作物)の生体電位測定を行うとともに,生体電位応答と光合成活性との関係について明らかにしているが,収穫後果実の熟度管理にもこれらの知見を生かすことができると考え,ガスセンサと組み合わせた測定システムを構築し,果実の生育や熟度と密接に関わりのある植物ホルモンの一つであるエチレンガスの影響について検討した。 共同研究者のAnita教授らとともに,エチレンガスのセンシングに適したSiC-FETトランジスタ型のガスセンサの材料や動作温度について検討した結果,収穫後果実の生体電位応答についての新たな知見が得られると共に,FETのゲート材料としてイリジウムを用いたセンサで動作温度を200℃としたときに,もっともエチレンガスに対する感度がよく,濃度依存性が得られることが明らかになった。 ただし,低濃度範囲における感度に課題があったため,ゲート金属材料の変更や動作温度,測定時のガスセンサ周囲の湿度などのパラメータによる影響をさらに詳しく検討した。また,渡航期間の後半から着手していた有機電気化学トランジスタを用いた生体計測については,デバイスの作製や周囲の温湿度モニタリングシステムの構築など,実際の測定に先駆けた実験,作業を進めるにとどまったが,エチレンを含む植物ホルモンに対する感度が得られる可能性が示唆された。 最終年度は,収穫後果実の生体電位応答についてさらに検討を進めるとともに,国際共同研究による成果の実用化に向けた意見交換や,スウェーデンや日本国内の数社との面談を行い,本課題の今後の発展に寄与する体制が強化された。
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