2016 Fiscal Year Research-status Report
細胞間接着を導くジッパー状分子の創製と細胞間相互作用の時空間的解析手法の確立(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺村 裕治 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10365421)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 腎臓移植 / 膵島移植 / 表面修飾 / 虚血再韓流障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
スウェーデン ウプサラ大学ならびにドイツ ドレスデン工科大学カールグスタフカールス大学病院との国際共同研究では、糖尿病治療のための膵ランゲルハンス島(膵島)移植、ならびに末期腎不全治療のための腎臓移植における生着率の向上を目指している。両親媒性高分子であるポリエチレングリコール結合脂質(PEG脂質)の誘導体による細胞表面の修飾技術を利用して、免疫反応をコントロールして虚血再韓流障害からの臓器の保護を行う。最終的には、免疫抑制剤を使用しない移植療法を目的としている。ドナーから取り出したブタ腎臓の静脈から注入されたPEG脂質は、腎臓内のほぼ全ての血管内皮細胞の表面に導入されており、一様に血管内皮がコーティングできていることが分かった。長期試験と短期試験を行い、詳細に解析した。移植後のレシピエントからの血液サンプリングを行い、補体系や凝固系のパラメーター、サイトカインを分析したところ、補体系や凝固系のパラメーターが、コントロール群(無処理)と比較して、低い値を示してしたことが分かった。また、サイトカインもすべてではないが、主要なマーカーでは、低い値を示していることが分かった。レシピエントから移植した腎臓の一部を切り出して、切片を作成し、免疫染色を行ったところ、すべての項目ではないが、コントロール群(無処理)と比較すると、コーティングしているレシピエントでは、補体系マーカーの沈着が少ない傾向にあることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブタの腎臓移植の実験も順調に行うことができ、これまでの進捗はおおむね予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度も引き続き、膵島移植ならびに腎臓移植共同研究を進める。当初の予定では、ドイツ ドレスデン工科大学カールグスタフカールス大学病院へ滞在し、膵島移植実験を進める予定だったが、ウプサラ大学で同じ実験を立ち上げることができたため、実験計画を変更して、すべての実験をウプサラ大学で行うように変更する。 昨年度では、高分子のPEG脂質によるコーティングを検討してきたが、2017年度では、生理活性物質をPEG脂質を介して固定化し、より効果的に虚血再灌流障害の抑制を目指す。具体的には、CD39やその同等の機能を有するアピラーゼを予定している。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Dangerous liaisons: Complement, coagulation, and kallikrein/kinin crosstalk act as a linchpin in the events leading to thromboinflammation2016
Author(s)
Kristina Nilsson-Ekdahl, Yuji Teramura, Osama A. Hamad, Sana Asif, Claudia Dorhkop, Karin Fromell, Elisabet Gustafson, Jaan Hong, Huda Kozarcanin, Peetra Magnusson, Marcus Huber-Lang, Peter Garred, Bo Nilsson
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Journal Title
Immunological Reviews
Volume: 274
Pages: 245-269
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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