2018 Fiscal Year Research-status Report
細胞間接着を導くジッパー状分子の創製と細胞間相互作用の時空間的解析手法の確立(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺村 裕治 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10365421)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 腎移植 / 細胞表面修飾 / PEG脂質 / 虚血再灌流障害 / 凝固系 / 補体系 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎臓を患者へ移植した直後では、凝固反応や自然免疫が活性されるため、血管内皮細胞が傷害を受けることが知られている。これら一連の自然免疫系の活性化反応は、虚血再灌流傷害の原因の一つとして位置付けられている。本プロジェクトでは、腎臓内の血管内皮細胞の表面を、PEG脂質や様々な生理活性物質でコーティングすることで、虚血再灌流傷害の制御を行うことを目指したものである。このことにより、腎移植後の生着率が向上し、移植成績が大きく改善することが期待できるためである。ここでは国際共同研究を通して、大動物であるブタの腎移植モデルを用いて、in vivoならびにin vitro評価を行った。まず、放射ラベル化したPEG脂質を合成し、このPEG脂質を用いて、腎臓内へ注入してその分布を調べたところ、PEG脂質は腎臓内に一様にコーティングできていることが分かった。また、血管内皮のみならず実質組織内へのコーティングも見られることが分かった。また、PEG脂質で処理したブタ腎臓を移植した後のブタレシピエントから血液サンプリングを行い、自然免疫の活性化について調べたところ、補体系や凝固系のパラメーターが、コントロール群(無処理)のレシピエントと比較して、低い値を示してしたことが分かった。また、レシピエントの血中のサイトカインの値も低い値を示したことから、PEG脂質によるコーティングにより、凝固系や補体系の活性化が抑制されていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進行している
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、国際共同研究を続ける。
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[Journal Article] Validation of an MPC polymer coating to reduce surface-induced cascade system activation in whole blood in in vitro and in vivo models2019
Author(s)
Sana Asif, Kenta Asawa, Yuuki Inoue, Kazuhiko Ishihara, Bjorn Lindell, Robin Holmgren, Bo Nilsson, Anneli Ryden, Marianne Jensen-Waern, Yuji Teramura, Kristina N Ekdahl
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Journal Title
Macromolecular Bioscience
Volume: -
Pages: e1800485
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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