2017 Fiscal Year Research-status Report
ゼオライトのCore-Shell構造化による省エネルギー型CO2吸着剤の開発(国際共同研究強化)
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15KK0234
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宮本 学 岐阜大学, 工学部, 准教授 (60538180)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | zeolite / core-shell / adsorption / xylene / biobutanol |
Outline of Annual Research Achievements |
1.MFI型ゼオライトのCore-shell構造化が吸着性能におよぼす影響 MFI型ゼオライトのCore-shell構造化が分離特性におよぼす影響について評価した。MFI型アルミノシリケート(ZSM-5)の外表面を純シリカMFI型ゼオライト(silicalite-1)で被覆することで、ジアルキルパラフィンの吸着が大きく阻害される一方、直鎖状およびモノアルキル体の吸着にはほとんど影響しないことがわかった。これは、MFI細孔径と同程度の分子サイズの分子に対する分子ふるい能が向上していることを示唆している。そこで、MFI型ゼオライトのCore-shell構造化がキシレン異性体の分離におよぼす影響について検討した。キシレン異性体分離においても、Core-shell構造化することで、o-およびm-キシレンの吸着を大きく阻害する一方、分子サイズの小さなp-キシレンの吸着にはほとんど影響していない結果が得られ、Core-shell構造化はMFI型ゼオライトのキシレン吸着におけるp-キシレン選択性を向上させることを明らかにした。 2.Core-shell構造化CHA型ゼオライトを用いたバイオブタノール分離 CHA型ゼオライトはバイオブタノール分離に有用であることがわかっている。そこで、CHA型ゼオライトのCore-shell構造化がバイオブタノール分離性能におよぼす影響について評価した。ブタノール発酵における共存物質、アセトン、エタノールおよび水と1-ブタノールの混合系による破過曲線測定の結果、Core-shell構造化することで、1-ブタノールの吸着が大幅に阻害される一方、エタノールの吸着量はほとんど変化しておらず、エタノール選択性が大きく向上することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、ゼオライトのCore-shell構造化がゼオライトの持つ吸着特性におよぼす影響を評価することを目的とした。これまでの検討で、MFI型ゼオライトではCore-shell構造化によりキシレン吸着におけるp-キシレン選択性が向上する結果、これまでに明らかとなっている触媒反応における高いp-キシレン選択性は、外表面酸点の不活性化のみではなく、分子ふるい能の向上も寄与していることを明らかにした。また、CHA型ゼオライトのCore-shell構造化にも取り組み、Core-shell構造化CHA型ゼオライトの吸着性能が通常のCHA型ゼオライトと異なることを確認した。いずれのゼオライトにおいても、Core-shell構造化による効果は、ゼオライトの有する細孔径と同等の分子径を有する分子に対する分子ふるい能の向上であり、Core-shell構造化の影響は、ゼオライトの結晶構造を問わないことを示差している。このことは、ゼオライトの機能性向上に向けた本手法の普遍性を示すものであり、新規ゼオライト触媒、吸着剤の開発に極めて有用な知見であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
Core-shell構造化MFI型ゼオライトは、直鎖上およびモノアルキルパラフィンに比べ、ジアルキル体の吸着阻害効果が高く、分子ふるい能が向上する結果が得られている。本知見を元に、Core-shell構造化MFI型ゼオライトの触媒反応への応用を進める。具体的には炭化水素の異性化反応へ用いることとし、Core-shell構造化が生成物選択性へおよぼす影響を評価する。
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Research Products
(3 results)