2017 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子装荷型グラフェンメタマテリアルにおける2次元プラズモンの動的制御(国際共同研究強化)
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15KK0237
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石川 篤 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (90585994)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | メタマテリアル / 2次元原子薄膜材料 / プラズモン / 金属ナノ構造 / 表面増強赤外分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元プラズモンの動的制御に基づくチューナブルメタマテリアルについて、1)原子薄膜-金属ナノ構造からなる複合材料の作製と評価、2)機械学習を用いた光学応答予測および3)高感度な表面増強赤外分光法への応用に取り組んだ。1)についてはまず、SiO2酸化膜を有するSi基板上に成膜したグラフェンや遷移金属ダイカルコゲナイド原子薄膜の層数決定法を検証した。具体的には、酸化膜とグラフェン、MOS2、MOSe2、WS2およびWSe2が作り出す薄膜干渉をモデル化し、その光コントラストが最大となる観察波長と酸化膜厚みの関係を理論的に明らかにした。次に、酸化膜を有するSi基板上に成膜したグラフェンに金属ナノ粒子を分散・担持した複合材料を作製し、その反射スペクトルを評価した結果、プラズモン共鳴に起因する特徴的な可視光吸収の観測に成功した。2)については、このようなメタマテリアルを微小なプラズモン要素の集合体として扱い、その光学応答を機械学習により予測する手法を開発した。具体的には、3次元有限要素法解析により得られた様々な構造パターンのメタマテリアル応答を、教師データとして畳み込みニューラルネットワークに学習させたのち、新規なメタマテリアル構造の応答予測を行なった。その結果、学習条件に応じたスペクトル予測に成功し、所望のスペクトルを示すメタマテリアル構造の自動設計に向けた有用な知見を得た。3)については、メタマテリアル内のプラズモン干渉を制御することで、高密度な四重極子モードや超カイラル場を示す新規なメタマテリアル構造を開発した。前者については、C=O官能基を含む有機分子ナノ薄膜を用いた表面増強赤外分光におけるゼプトモルレベルの検出感度を達成し、その有用性を示した。
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Remarks |
カリフォルニア大学バークレー校への渡航期間:2017年3月1日~2017年5月24日、2017年5月27日~2017年7月21日、2017年7月27日~2017年9月25日、2017年9月30日~2017年11月2日
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Research Products
(12 results)