2016 Fiscal Year Research-status Report
コンクリート・地盤・水環境中の有害物質の処理・処分技術の開発(国際共同研究強化)
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15KK0239
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
半井 健一郎 広島大学, 工学研究院, 准教授 (10359656)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 放射性廃棄物 / コンクリート / 地盤 / ベントナイト / 水環境 / 拡散 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
セメント系―地盤材料(ベントナイト)の多重人工バリアに関する構造分析と数値解析手法の構築を目的に研究を行った. まず,実験による詳細分析として,PSI(ポールシェラー研究所)のSINQ(スイス核破砕中性子源施設)が所有する加速器中性子源施設を用い,低温中性子を用いた画像解析による多孔体中の物質移動解析を実施することを計画していたが,装置の不具合が生じて新規課題の計測が受け付けられずに当初計画が実現できなかった.代替えとして,トリチウム水の拡散試験を行い,セメントペーストおよびベントナイトの各単体および両者を接触させた複合供試体の拡散挙動を分析した.初年度は接触直後の拡散性状を評価したが,これまでのところ炭酸ナトリウムの事前混合による拡散係数の明確な低下は確認されなかった.そこで,長期間の接触後に再試験を行うこととし,供試体を養生中である. 次に,数値解析による検討として,地球化学モデルGEMS-PSIと物質移動解析モデルOpenGeoSysを組み合わせた,連成解析プログラムOpenGeoSys-GEMSを基盤技術とした検討を行った.まず,セメント硬化体の組成を再現する解析を行い,試料調整過程におけるアルカリ溶出の影響を定量的に分析し,前述の室内試験計画に反映した.その後,ベントナイトとセメントペーストの接触解析を行い,各種パラメータの感度を分析した.反応速度によって解析結果が大きく変動することを明らかにし,解析結果の妥当性を判定するための追加測定を実施中の室内試験に追加した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要において記述したように,当初使用を予定していた加速器中性子源施設が設備の不具合によって使用することができなくなり,研究計画を大幅に変更した.変更後のトリチウム水の拡散試験においても,計測のためのシンチレーションカウンターの状況が悪く,度重なる調整によって制約を受けた.また,解析結果に基づき試験計画の修正を行うことでも計画の遅延を生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の実験および解析結果を踏まえて長期試験を準備中である.一時帰国中も受入れ先研究者の協力を得て測定を継続中であり,2年目となる今年度の再渡航によって追加試験の実施が可能となる.数値解析に関しても,現地の研究者とともに検討を進めている.
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