2016 Fiscal Year Research-status Report
新規配位高分子による放射性セシウム有効利用のための分離・回収法開発(国際共同研究強化)
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15KK0247
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
南川 卓也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 バックエンド技術部, 研究職 (30370448)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | セシウム / 吸着材 / MOF |
Outline of Annual Research Achievements |
渡英準備を行い、ビザや英国での研究費移送の手続きなどを行うとともに、企業などと連携するための準備として日本において基研究課題の特許を取得した(基課題の成果として提出)。詳細な研究内容の打ち合わせや、リバプール大学以外の研究協力体制についての判断は研究代表者が渡英後に行う計画であるが、この特許取得後から、英国側のリバプール大学で研究のニーズを探る活動を開始している。 研究代表者が実際に渡英したのは、昨年度末の3月13日であり、セシウムを取り込む材料についての物性評価や改善実験を行うためには、英国側での実験室や装置利用の新規のトレーニングが必要となるため、国際共同研究の主な実施は来年度以降となる。 このように今年度は英国での実験準備や英国側で企業のニーズ調査を行うにとどまったが、今年度の渡航期間が3週間であり、来年度の渡航期間が約11か月であることから、入念な準備を行い、完全に予定通りの準備状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は英国での実験準備や英国側で企業のニーズ調査を行うにとどまった。今年度の渡航期間はわずか3週間であり、今後約11か月程度の研究期間の準備として、予定通りの状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
英国側で放射元素の新規捕集剤について研究のニーズを探った結果、研究打ち合わせの要請が英国企業からきている。英国側スタッフと入念に打ち合わせの上で、彼らと宣伝活動を行っていく。また、この結果、英国の研究機関であるNNLは研究そのものに興味を持っているが、商品や実際に処理するという目線で材料を見ていないこと、むしろ、その関連企業側がこの課題の研究成果から生まれる商品開発や放射性廃棄物の処理に意欲を持っていることが分かった。そのため、主に原子力の研究機関よりも、その関連企業と打ち合わせを密に行っていく予定である。 また、海外への売り込みを行うにあたって、今年度は材料についての米国特許を取得することが社内会議で決定済みであり、海外でのニーズを探りながらこの取得を行うとともに、得られた成果についてニーズも踏まえて論文発表を行っていく予定である。 また、英国側での実験としては、英国企業のニーズに合わせた材料開発を行うとともに、セシウム取り込み挙動やその選択性が発現するMOFの構造的要因を探ることを計画している。この研究は特に、金属を取り込んだMOFの構造を詳細に粉末X線などで調査することで進めるため、現在は研究協力者との打ち合わせやデータ解析方法の模索を密に行っており、得られた結果をもとに様々な測定によりMOFの構造解析や金属取り込み挙動解析を行う予定である。
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