2017 Fiscal Year Annual Research Report
Removal and recovery of radioacitive cesium by rare earth oxalate metal-organic frameworks(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0247
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
南川 卓也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究職 (30370448)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2017
|
Keywords | ストロンチウム / セシウム / 分離剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、MOFがストロンチウム等の金属を選択的に分離する機構について、リバプール大学に滞在しながら調査を行った。その結果、まずMOFをストロンチウム溶液に浸漬し、ほぼ100%のストロンチウムが吸着したMOFの結晶を作成することに成功し、この結晶を用いてストロンチウムがどのようにMOFに吸着しているのか、その構造を明らかにした。その結果、MOFがストロンチウムが吸着した構造は吸着する以前の構造とは全く異なるものであることを明らかにした。 ストロンチウム吸着時のMOF構造変化機構を調査した結果、もとのMOFは2次元シート型構造だが、この2次元シートが水平にスライドするとともに、配位子の配位する金属が交換することで、元の金属と配位子の組成を変化させることなく、構造が変化して、3次元構造に変化するとともに、この構造変化した細孔内に水和したストロンチウムを取り込むことで、より大きな細孔を持ったMOFが構成されることが明らかとなった。 このような構造変化は、セシウム等のアルカリ金属吸着時には見られない変化であり、このMOFは水和したイオンをそのまま吸着する場合と、イオンだけを吸着する場合があり、このことは、MOFのイオン認識において、水和イオン半径の影響も同時に受けていることを意味している。 他の細孔性材料においても、このような水和イオン半径やイオン半径のどちらが主に効果があるのかは、議論されているが、本研究のように構造解析によって、水和イオンの影響が明らかになる材料はこれまでにない。また、MOF自体も盛んに研究されているが、金属吸着時に、このような大幅な構造変化を起こすことはこれまで報告が無い。 本研究は、結晶を作りやすく、構造を解析しやすいMOFの特性を生かした分析により、これまでにない吸着挙動の解明やゲストイオンによるMOFの構造変化を明らかにできる研究となった。
|
-
[Int'l Joint Research] リバプール大学(英国)2017
Year and Date
2017-03-13 – 2018-03-12
Country Name
UNITED KINGDOM
Counterpart Institution
リバプール大学
Co-investigator Overseas
Matthew J. Rosseinsky
Department
Department of Chemistry
Job Title
Professor
-
-