2018 Fiscal Year Annual Research Report
Coevolution of primate diet and gut microbe(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0256
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
半谷 吾郎 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (40444492)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 腸内細菌 / 発酵 / 16S rRNA / 消化 / 系統 / 霊長類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腸内細菌が霊長類の消化機能にどう影響しながら、生態学的時間スケールと、進化的時間スケールの両方で、霊長類と共進化してきたかを明らかにすることである。 進化的時間スケールの研究では、多種の野生霊長類について、糞試料を収集し、腸内細菌叢を比較して、霊長類の食性や系統に応じて、腸内細菌叢がどのように変化するのかを明らかにする。基課題で収集してきた日本、マレーシア、ウガンダでの調査に加え、本研究ではガボン、中国、タイで新たに試料の収集を行う。本年度は、一昨年度収集したガボンの8種の野生霊長類の糞試料の遺伝子解析を進めるとともに、中国で昨年度収集した糞試料の遺伝子解析を、中国の中山大学で行った。対象となった霊長類は、広東省、広西チワン族自治区、雲南省、陝西省、安徽省に生息する、野生のアカゲザル、シロアタマラングール、ウンナンシシバナザル、キンシコウ、チベットモンキーである。また、タイでも共同研究者に試料の収集を依頼し、カニクイザル、ベニガオザル、アッサムモンキー、キタブタオザル、ファイヤールトン、ダスキールトンの糞試料を収集し、日本に輸出した。 生態学的時間スケールの研究では、屋久島の上部域と海岸域のニホンザルの新鮮な糞試料を採取し、試験管内発酵実験を行うことで、食性の異なる2地域での消化能力の違いを明らかにしようとしている。一昨年度、チューリッヒ大学でこれらの試料の遺伝子解析を行った。本年度は、それについての結果の解析を行い、現在学会発表に向けて準備中である。
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