2017 Fiscal Year Research-status Report
視床下部で発見した分泌タンパク質の生理的意義と作用機序の解明(国際共同研究強化)
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15KK0259
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浮穴 和義 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (10304370)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 視床下部 / 分泌性小タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、鳥類の視床下部から新規の分泌性小タンパク質であるNPGLを発見している。哺乳類のヒト、ラット、マウスにおいてもNPGLのホモログ遺伝子の存在を明らかにしている。ニワトリやマウスにおいて、体重増加や摂食行動に影響を与えることをこれまでに明らかにしているが、NPGLの生理的意義を明らかにするまでには至っていなかった。ラットやマウスの解析から、摂食行動の日内リズム変動にNPGLが関与している可能性が示されたため、短日・長日での季節変動を示すハムスターを用い、NPGLの発現変動を解析した。共同研究先は、古くから共同研究を行っていたUC BerkeleyのKriegsfeld教授の研究室とした。まず、ゴールデンハムスターを用い、短日・長日条件下で飼育し、視床下部からmRNA抽出を行い、NPGLのmRNA発現解析を行ったが、顕著な発現変化は認められなかった。したがって、ゴールデンハムスターではNPGLは季節変動に伴う生理学的な変化に関与している可能性は低いと考えた。摂食行動の日内変動への関与を考えた際、食後のインスリン変化に応じてNPGLの発現変動が見られると予測した。そこでこれまで日本で研究を進めてきたラットを用い、NPGL細胞がインスリンに応答するかどうかを解析した。脳室内にインスリンを投与し、インスリン応答シグナルであるリン酸化Aktに着目して解析を行ったところ、NPGL細胞がインスリン応答を示すことを明らかにできた。さらに、絶食状態でNPGL発現が増加し、インスリン投与によりNPGL発現が低下することも明らかになり、血中インスリンレベルに応じてNPGLの産生が変化することを明らかにできた。これは生理的意義を考える上で、極めて重要な成果であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、ハムスターを用いて解析を進めたが、期待通りの成果が出なかった。しかしながら、ラットを用いた解析により、本研究課題の目的であった生理的意義の本質を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度はゴールデンハムスターを用いてNPGLは季節変動を示さないという結論を得た。ただし、別種のハムスターを用いた解析も必要と考え、シベリアンハムスターでの季節変動のデータを得る研究を行う計画を立てている。
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Research Products
(1 results)