2018 Fiscal Year Research-status Report
視床下部で発見した分泌タンパク質の生理的意義と作用機序の解明(国際共同研究強化)
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15KK0259
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浮穴 和義 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (10304370)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 視床下部 / 分泌性小タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、鳥類の視床下部から新規の分泌性小タンパク質であるNPGLを発見している。これまでの国際共同研究の実施から、ラットやハムスターを用いて研究を進めてきた。その結果、ラットではNPGLが脂肪蓄積作用を有し、さらに、インスリン量に応答してNPGLのmRNA発現が変化し、NPGL産生細胞が実際にインスリン応答を示すことも見出している。 今年度は、マウスを用いてNPGLの生理機能と作用機序の解析を行った。NPGLをマウスの脳室内に投与し、摂食量、体重増加量、脂肪蓄積量を解析した結果、普通食給餌下では摂食量に有意な変化は認められなかったが、高カロリー食給餌化では摂食量が増加し、脂肪蓄積の顕著な増加が認められた。この脂肪蓄積の原因のひとつとして、白色脂肪組織や肝臓での脂肪合成酵素の発現亢進であることが示唆された。これらの結果を学術論文としてまとめ、内分泌学における権威ある国際誌に投稿した。つい最近、論文リバイスを求められており、リバイス投稿のためには追加実験が要求された。したがって、今後も国際共同研究の実施により、追加データを出すように準備を進めている。このマウスで得られた成果が国際誌に掲載されれば、NPGLのげっ歯類における生理的意義が確実なものとして国際的に認められると考えており、早急な受理がなされるようしていきたい。さらに、NPGLの摂食及び脂肪蓄積作用の作用機序の解析も同時に進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの成果に関して論文受理が今年度中になされるように計画をしていたが、追加実験の要求が多く、より一層の研究遂行が必要となった。しかしながら、レフリーからの要求が多いということは、それらをクリアして受理された場合の完成度が高まることと考えている。普遍的なNPGLの生理作用・作用機序・生理的意義の解明という本研究課題の目的達成へ向けた過程であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、論文受理へ向けた追加実験の完成とリバイス投稿を行う。さらに、異なる手法によるNPGLの作用機序と生理的意義の解明へ向けた研究を進める予定でいる。
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[Journal Article] Localization and function of neurosecretory protein GM, a novel small secretory protein, in the chicken hypothalamus.2018
Author(s)
Shikano K, Bessho Y, Kato M, Iwakoshi-Ukena E, Taniuchi S, Furumitsu M, Tachibana T, Bentley GE, Kriegsfeld LJ, Ukena K.
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 8
Pages: 704
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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