2019 Fiscal Year Annual Research Report
Isolation of genes expressed asymmetrically in the flounder metamorphosis and analysis of regulatory mechanisms by thyroid hormone(Fostering Joint International Research)
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15KK0272
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横井 勇人 東北大学, 農学研究科, 助教 (40569729)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | ヒラメ・カレイ類 / 変態 / 水産増養殖 / ゼブラフィッシュ / 左右非対称 / 色素胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒラメやカレイの仲間は異体類と呼ばれ、両眼が体の右または左側に位置し、体色も左右で非対称な特徴を示す。このように魚類の中で特異なグループであるが、胚発生は一般的な魚類と同様に左右対称な体制で進み、変態期に左右非対称な成魚の体制へと移行する。ヒラメなど水産上重要な魚種は盛んに種苗生産が行われているが、人工飼育下では眼位や体色の異常が発生して問題となっており、異常発生メカニズムの解明と防除策の構築が期待されている。異体類は海外でも水産上重要で、スペイン国立海洋研究所のRotllant博士はターボット(大西洋イシビラメ)の種苗生産で生じる異常について取り組んでおり、日本産ヒラメのデータと比較検討することにより、異体類の変態に関する普遍的な分子メカニズムの解明を目指して共同研究を行った。ヒラメ変態期のRNA-seq解析により、有眼側と無眼側で遺伝子発現プロファイルを比較し左右非対称な発現を示す遺伝子を網羅的に単離した。これら遺伝子のオーソログを同定し、ターボット変態過程における発現を解析した。ヒラメ変態期に見られる左右非対称化初期の現象について、ターボットの変態期サンプルで経時的に観察を行ったが、残念ながら同様の傾向は観察されず、多様化していることが明らかになった。ハイデルベルグ大学(現イタリア・トレント大学)のCarl博士はゼブラフィッシュの左右軸分化について顕著な成果を上げており、ヒラメの左右非対称化を理解するためのモデルとして脳の左右性を中心に共同研究を行った。バルセロナ大学のCanestro博士は、脊椎動物の祖先生物であり、単純な体制の脊索動物オタマボヤの円柱(甲状腺の相同器官)について研究を行っており、異体類の変態のトリガーである甲状腺ホルモンに関する共同研究を行った。本研究助成終了後も、Rotllant博士と継続して異体類変態について共同で研究を進めることとなった。
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Research Products
(18 results)