2016 Fiscal Year Research-status Report
ブタにおけるニパウイルス病原性発現機序の解析と予防法の開発(国際共同研究強化)
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15KK0274
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米田 美佐子 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (40361620)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | ニパウイルス / 病原性 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、来年度フランスおよびカナダのBSL4施設において開始する実験のための準備を行った。具体的には、これまでに見出したニパウイルス病原性に関与するC、Vタンパクに相互作用する宿主細胞タンパクについて、siRNA等を用いて発現をノックダウンした細胞を作出し、感染性ウイルスの増殖におけるそれら因子の関与を解析するツールを揃えた。また、ブタワクチンの開発研究については、ベクターとして用いている偽狂犬病ウイルスベクターの安全性試験のデータ解析を行い、相手機関と共に来年度に行うワクチン有効性試験の方法および日程の計画を立てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来年度、海外渡航しBSL4施設において感染性ウイルスを用いた実験を開始することを計画しているが、それに向けて必要な細胞や抗体、組換えウイルス作出用ベクターなどの研究ツールや、これまで得られたデータの解析などによる準備を進めることができた。現在、フランスおよびカナダにおいて行う遺伝子組換え実験および動物実験の申請に必要な手続きおよび書類作成を行っており、予定通りに実験を開始することができると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、フランスおよびカナダのBSL4施設において感染性ニパウイルスを用いたin vitroおよびin vivoの実験を開始する。フランスにおいては、日本で行っているニパウイルスのアクセサリータンパクの機能解析について、アクセサリータンパクと相互作用する宿主因子をノックアウトした細胞を用いた感染実験を行う。カナダにおいては、大動物の感染実験も行えるという優位性を生かし、ブタ用抗ニパウイルス感染症ワクチン開発の実験を行う。ブタにPseudorabies virusベクターを用いた組換えワクチンをブタに複数回接種し抗体上昇による免疫成否の判定後、ニパウイルスによる攻撃試験を行う。防御効果は、臨床症状の有無や剖検後の各組織におけるウイルス増殖量の比較等によって判定する。
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