2016 Fiscal Year Research-status Report
イネの初期胚をモデルとした細胞分化機構の理解と形態形質改変への利用(国際共同研究強化)
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15KK0279
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
佐藤 豊 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (40345872)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | トウモロコシ |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究は、科研費基盤研究(B)「イネの初期胚をモデルとした細胞分化機構の理解と形態形質改変への利用」を国際共同研究によりさらに発展させることを目指している。具体的には、イネ以外の植物を材料に初期胚における細胞分化機構を解析し、その種を超えた普遍性を検証することを研究目的とする。本国際共同研究により、植物の発生機構の進化を考える上で、鍵となる重要な知見jをもたらすことが期待できる。本国際共同研究の目的を達成するためには、イネと同じイネ科に属しており、分子遺伝学的な実験材料としてよく整備されているトウモロコシを研究材料に用いることが最適である。そこで、本研究ではトウモロコシの変異系統集団からイネの胚発生変異体と類似した系統を選抜し、その解析を通して、イネ科植物の初期胚の細胞分化機構の普遍性と特異性を明らかにする。本国際共同研究では、トウモロコシの変異系統の蓄積がある米国の研究者(フロリダ大学・Donald R McCarty博士)との共同研究を行う。 今年度は、平成28年7月16日~8月15日、平成29年2月16日~3月13日に米国に滞在し、実験を行なった。具体的には、トウモロコシの変異系統ライブラリーから胚形成に関わる突然変を多数スクリーニングした。現在アウトクロスした後代を育成中である。また、イネの胚形成に関わることがわかっている遺伝子上の突然変異もひとつ同定できた。現在、表現型をイネとトウモロコシで比較している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時間がかかるフォワードジェティクスによるアプローチについては、トウモロコシの変異体候補を多数同定するなど、着実に進めている。一方、リバースジェネティクスも並行して行なっており、イネとトウモロコシの変異体の表現型を比較できる材料がすでに確立できた。この点では当初の予定よりも計画が早く進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は6月~7月、2月~3月の二回の渡米を計画している。この間に、育成中のトウモロコシ系統の交雑実験、変異のマッピングならびにトランスポゾン挿入部位周辺配列の解読などに必要な実験材料を整える。また、イネとトウモロコシの変異系統の表現型比較も行う。
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