2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cryo-SEM/EDX study of the uptake and the radial movement of minerals in the tree trunk(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0287
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
黒田 克史 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 (90399379)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | ミネラル / セシウム / クライオSEM / EDX / 蛍光エックス線 / ヨーロッパシンクロトロン / クライオTEM / 国際共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
師部と木部のミネラルの移動の実態を可視化技術によって解明するため、ヨーロッパシンクロトロン(ESRF)ID21ビームラインにおけるマイクロ蛍光エックス線装置を用いて凍結試料における元素マッピング手法の検討を行った。共同研究者のフィンランド天然資源研究所のJyske博士らとともに昨年度に測定したデータの解析を行い、高感度の元素マッピングデータを得ることが出来た。次に、アールト大学ナノ顕微鏡センターのクライオTEM/EDXを用いた解析を試みた。凍結試料から凍結準超薄切片を作成し凍結を維持したままTEM/EDX解析が可能であることを示した。このことから本手法が凍結試料を用いたミネラル移動解析研究の新たな手法として有効であることを明らかにした。また、ヘルシンキ大学のマイクロCT分析装置を用いた3次元可視化解析を試みた。本装置は凍結試料用の試料ホルダーを付属していないが短時間の測定の場合は凍結維持が可能である。しかしながら測定中の試料の温度上昇に伴う振動等のため、本課題で求める凍結試料の解析には適応不可能なことを明らかにした。 本科研費では、基課題で解明できていない師部と木部のミネラル移動の実態を可視化技術によって解明することが目的であった。検討した可視化手法にはいずれも凍結樹木試料を用いた報告例がなかったため本課題は解析手法の開発が中心となったが、当初計画で予定していたESRFの装置では期待したマッピング像を得ることが出来たほか、クライオTEM/EDXを用いた新たな解析手法の可能性を示すことができ、国際共同研究により研究を進展させることができたと考える。2018年度からも国際共同研究を続け研究の発展につなげたい。
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Research Products
(4 results)