2017 Fiscal Year Annual Research Report
Production of blistering disease model by regulating collagen XVII expression.(Fostering Joint International Research)
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15KK0289
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西江 渉 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (20443955)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 生体分子 / タンパク質 / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、皮膚の基底膜構成分子である17型コラーゲン(COL17)に一アミノ酸変異(R1303Q;1303番目のアルギニンがグルタミンへ置換)に伴い生じる皮膚基底膜の重層化の病態機序を解明し、皮膚基底膜の構築機序を明らかにすることである。世界でCOL17にR1303Q変異を持つ患者(R1303Q患者)を世界で最も多く診療している渡航先の研究室では、多くの臨床データを交え、病態解明に向けて多数の研究者と意見交換を行った。タンパク解析チームとの共同研究によって、実際に本変異を持つマウスのCOL17タンパクを作製し、細胞外領域のプロセッシングが患者由来COL17と同様に阻害されることを見いだした。また、モデルマウス作製チームから助言をもらい、ゲノム編集技術を応用し、R1303Q患者と類似した変異をCOL17に有するマウスを作製するに至った。現在、作製したモデルマウスを用い、皮膚の基底膜が重層化しているかや本変異を持つ表皮基底細胞の遊走など解析を続けている。その他、COL17を含む皮膚基底膜タンパクの生理機能と病理を解析している欧州の3カ所の研究施設(ドイツ・リューベック大学、イタリア・Istituto Dermopatico dell'Immacolata、フィンランド・オウル大学)で講演する機会を得、新たな共同研究の開始に至った。今後、本研究で作製した遺伝子改変マウスを用い、皮膚の基底膜構成機序の解明を進めていく予定である。
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