2016 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサーを用いたヌーナン症候群類縁疾患の網羅的遺伝子診断システムの確立(国際共同研究強化)
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15KK0293
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新堀 哲也 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40436134)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | ヌーナン症候群 / コステロ症候群 / CFC症候群 / ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シークエンサーによる網羅的遺伝子解析の結果、病因としての報告がないバリアントを同定することが増えており、家系内でのsegregationを確認することもできずVUS(variants of uncertain significance)のままとなる場合も多い。その意義付けのための実験系として、モデル動物作成は有力な手法となりうる。そこでヌーナン症候群およびその類縁疾患患者の遺伝子解析で同定された遺伝子変異を持つゼブラフィッシュモデルを作成し、個体の表現型への影響を評価する実験系を確立することを目標として、平成28年7月より米国ノースカロライナ州ダーラムのDuke大学医学部Center for Human Disease Modelingに滞在し、共同研究の一環として指導を受けた。帰国後にも日本国内で同様の実験を行うために、まずゼブラフィッシュ胚へのインジェクション技術獲得を目指した。インジェクション用の針の作成、キャリブレーション、既知の表現型を示すMorpholinoの、胚への実際のインジェクションなどを繰り返すことを通じて、一連の技術を習得するとともに正常な胚の発生を学んだ。更に、基課題で同定された病的意義が明らかでない遺伝子変異を導入するためpCS2+ベクターに野生型および変異型cDNAを組み込み、それを鋳型としてRNAを合成した。それをゼブラフィッシュ胚にインジェクションし、経時的に表現型の評価を行った。RNA量などの条件検討や詳細に評価すべき表現型の検討、表現型評価のための染色法の習得などを継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゼブラフィッシュ胚へのインジェクション技術の獲得は達成した。ヌーナン症候群およびその類縁疾患患者の遺伝子解析で同定された遺伝子変異を持つゼブラフィッシュモデルを作成し、個体の表現型への影響を評価する実験系を確立することを目標としたが、ほぼ達成に近づいている。帰国後に日本国内で同様の実験を行うために、トラブルシューティングなどより深い知識、技術を今後身につける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型及び変異型を導入したゼブラフィッシュの表現型の評価を確立した後、RAS経路を阻害する薬剤を投与することによって表現型が改善するかを評価することによって、RAS経路の活性化が表現型発現の原因であるかをより明確にするとともに、RAS経路以外の経路への影響を確認することを予定している。さらに治療法開発へ向けた薬剤スクリーニングでのゼブラフィッシュ活用法についても指導を受ける予定である。
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[Journal Article] Human genetic variation database, a reference database of genetic variations in the Japanese population.2016
Author(s)
Higasa K, Miyake N, Yoshimura J, Okamura K, Niihori T, Saitsu H, Doi K, Shimizu M, Nakabayashi K, Aoki Y, Tsurusaki Y, Morishita S, Kawaguchi T, Migita O, Nakayama K, Nakashima M, Mitsui J, Narahara M, Hayashi K, Funayama R, Yamaguchi D, Ishiura H, Ko WY, Hata K, Nagashima T, Yamada R, et al. (31人中5番目)
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Journal Title
J Hum Genet
Volume: 61(6)
Pages: 547-53
DOI
Peer Reviewed / Open Access