2015 Fiscal Year Research-status Report
治療抵抗性気分障害におけるインスリン抵抗性の病態生理学的影響に関する検討(国際共同研究強化)
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15KK0295
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
成田 耕介 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (70345677)
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Project Period (FY) |
2015 – 2016
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Keywords | 老年期うつ病 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
気分障害の治療に関しては、新規抗うつ薬の開発や非定型抗精神病薬の併用療法など、多様な 選択肢が出現したにも関わらず、寛解率そのものは向上していない。本研究は、特に抑制系伝達物質としてもインスリン抵抗性の形成にも双方に深く関 与していることが知られているGABAに焦点を当てて、治療抵抗性気分障害群、 治療反応の得られた気分障害群、および健常群の3群を対象として、空腹時採血によるインスリン抵抗性の定量的評価、2超音波診断装置を用いた頚動脈内膜・中膜複合体厚測定(IMT)、3 MRI-T1 強調および拡散テンソル画像、脳血流検査(ASL)、安静時機能的 MRI、MRSによる GABA 濃度測定などの MRI 諸検査、イオマゼニルSPECT を用いた GABA-Aレセプター分布の定性的評価を施行し、各群間・群内において、インスリン抵抗性や動 脈硬化重症度、大脳灰白質の局所体積や連結性、あるいは大脳白質の異方向性比率、灰白質内 GABA 濃度や GARA-A レセプター分布など多因子の関連性を包括的に解析・検討するものである。今年度は、オタワ大学長期研修中に、20症例の収集を完了し、マルチモダリティーデータの解析技術の開発・習得を行っている。なお、今年度は、渡航に向けて交付申請を行ったのみであり、本経費を執行しての研究は行っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在20症例を収集完了しており、本年度内に健常群について目標症例数の収集が完了する予定である。健常群収集と並行して、患者群の収集を開始する予定であり、この体制も整っている。データ収集に並行して、マルチモダリティデータの解析技術の開発・習得を行っている。平成27年度は、10月からオタワ大学へ長期研修を行い、同実験に従事していた。
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Strategy for Future Research Activity |
オタワ大学において、SPECTおよびMRIデータの解析技術を、現在学習・開発中である。またマギル大学ともミーティングを継続しており、MRSシーケンスの提供を受け、かつ解析技術の学習を行っている。今後も両大学と共同でマルチモダリティデータの解析技術の開発・習得を進め、本研究で収集したデータの解析を進める。
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