2017 Fiscal Year Research-status Report
哺乳類細胞における浸透圧ストレス受容・応答機構の解明(国際共同研究強化)
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15KK0297
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名黒 功 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (80401222)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | シングルセル解析 / 浸透圧ストレス / 細胞応答 / 免疫細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は年度末に渡米し、海外共同研究者であるDr. Herrの研究室を訪問し海外における研究を開始した。Dr. Herrと滞在期間である向こう半年間における実験計画の確認と内容の改善を行った。具体的な内容としては、シングルセルウェスタン法という最先端のシグルセル解析技術を利用して、浸透圧を中心としたストレスを細胞に処置した際の1細胞におけるタンパク質の量・翻訳後修飾(リン酸化等)の定量的検出を行い、個々の細胞の表現型(ストレス応答)と関連づける。解析対象とする注目タンパク質は、これまでの基課題におけるスクリーニングで申請者が独自に同定した浸透圧応答分子や、基課題の中心的解析対象であるASK3、NFAT5に設定した。注目タンパク質の過剰発現及びノックダウンを行うことで、個々の細胞に発現するタンパク質の量を能動的に変化させ、その発現量と表現型の相関をシングルセルレベルで検証する。また、注目するタンパク質の間の関係にも注目し、1細胞内で互いのタンパク質の量や翻訳後修飾に正または負の相関がないか検証する。また、近年注目されている浸透圧ストレスと免疫細胞の活性化についても同様にシングルセル解析を行い、免疫細胞が浸透圧ストレス依存的に活性化されるメカニズムの解析も行う。これらの解析により、申請者が解明を目指している浸透圧シグナル伝達分子と細胞と応答の因果関係について、細胞集団を対象とした既存のウェスタンブロット法などでは解析できない深さでの実証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに年度末に海外共同研究者の元に渡航し、研究を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に渡航できたため、以前から海外共同研究者と相談していた研究内容について実施に移す。具体的には海外共同研究者の開発したシングルセルウェスタン法を用いて、申請者が解析してきた浸透圧ストレス応答に関与する分子の挙動を個々の細胞レベルで解析する。 具体的な内容としては、シングルセルウェスタン法という最先端のシグルセル解析技術を利用して、浸透圧を中心としたストレスを細胞に処置した際の1細胞における複数のタンパク質の量・翻訳後修飾(リン酸化等)の定量的検出を行い、個々の細胞の表現型(ストレス応答)と関連づける。また、注目するタンパク質の間の関係にも注目し、1細胞内で互いのタンパク質の量や翻訳後修飾に正または負の相関がないか検証する。さらに、近年注目されている浸透圧ストレスと免疫細胞の活性化についても同様にシングルセル解析を行い、免疫細胞が浸透圧ストレス依存的に活性化されるメカニズムの解析も行う。これらの解析により、申請者が解明を目指している浸透圧シグナル伝達分子と細胞と応答の因果関係について、細胞集団を対象とした既存の方法では解析できない深さでの実証を行う。
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