2017 Fiscal Year Research-status Report
再生医療への応用を目指した間葉系幹細胞支持基板の開発(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0299
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 美穂 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (40401385)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 生体材料 / 間葉系幹細胞 / 破骨細胞 / 有機無機コンポジット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、再生医療における組織再生効率向上を目指して、間葉系幹細胞(MSC)の分子分泌能を強化し、組織再生能を向上する再生医療用足場材料の開発を行うことを目指す。平成29年度は、前年度に引き続き、有機無機コンポジット試料の(1)試料作製およびキャラクタリゼーション、(2)破骨細胞前駆細胞試験、MSCと破骨細胞前駆細胞の共培養試験、(3)ヌードマウスへの埋入実験を行った。(1)骨補填材として臨床応用されている無機材料であるハイドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)に加え、破骨細胞吸収性を有する炭酸含有アパタイト(CA)を利用した。有機材料としてはポリ乳酸(PLA)を利用した。5-20wt%の無機物を含むPLAとのコンポジット試料を作製し、キャラクタリゼーションを行った。X線回折、フーリエ変換赤外分光法、表面粗さ計、接触角計を用いて、有機無機コンポジット試料表面のキャラクタリゼーションを行った。その結果、組成変化は見られないが、無機物添加量増加に伴い表面粗さ値が増加すること、表面濡れ性は変化しないことが確認された。(2)ヒト骨髄由来Monocyte、ヒト末梢血由来Monocyteを用いて破骨細胞培養実験を行うと、無機物を含むコンポジット試料上で破骨細胞分化が見られた。CA、β-TCPを含むコンポジット試料上で破骨細胞分化の亢進が見られた。ヒトMSC、骨芽細胞、骨細胞をそれぞれ培養し、ヒト末梢血由来Monocyteを加えて共培養を行った。その結果、MSCが破骨細胞分化を誘導することが見出された。(3)ヌードマウス埋入試験を実施し、組織学的解析を行った。MSC担持コンポジット群では炎症性細胞の減少が見られた。現在、画像解析を進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は研究計画のとおり進めることができた。また、研究成果について、学会や論文で発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により、有機無機コンポジット材料の最適化、および細胞挙動評価が行われた。今後は、長期的生体内埋入試験を行い骨形成能評価を行う。本研究成果を硬組織再生医療に応用できれば、移植部位でMSCを長期間保持し、サイトカイン分泌を亢進し、内在性幹細胞を局所へ動員し、組織再生能を向上することが期待される。
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Research Products
(24 results)