2016 Fiscal Year Research-status Report
レンサ球菌が産生する線毛の付着機能と発現機構の解析(国際共同研究強化)
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15KK0306
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中田 匡宣 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (90444497)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | レンサ球菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
A群レンサ球菌はヒトを唯一の宿主とし,主に咽頭炎などの局所性化膿疾患を惹き起こす.これらの疾病が治癒した後,急性リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの二次性疾患を時として発症する.さらに,菌血症,壊死性筋膜炎,多臓器不全などを伴う劇症型レンサ球菌感染症を起こす場合があり,本菌はヒト喰いバクテリアとも呼ばれる.A群レンサ球菌は血清型依存性に多様な線毛を産生する.A群レンサ球菌の定着を感染初期段階において抑制することが感染防御に有用であると考え,付着因子である線毛の発現機構の解析を行った結果,血清型依存性に培養温度による線毛発現の違いが認められた.複数の血清型において,通常の培養温度での培養では,線毛が産生されず,低温においてのみ線毛発現が認められた.本研究では,温度依存性の線毛発現が認められる血清型を疫学的に明らかにし,その発現機構を明らかにすることを目的とした.国際共同研究者とともに世界各地から収集された臨床分離株を通常の培養温度と低温で培養を行った後,菌体から抽出した細胞壁画分における線毛の発現を型別血清および抗線毛サブユニット抗体を用いて検出した.また,複数の培養温度で培養した全菌体と抗線毛サブユニット抗体を用いたフローサイトメトリー解析によっても線毛発現量を検討した.その結果,温度感受性の線毛発現を呈する複数の血清型が明らかになった.併せて,温度感受性の線毛発現と線毛遺伝子領域の遺伝子型は相関することが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際共同研究により,広範囲におよぶ血清型の菌株を線毛発現解析に供試できたことから,おおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,培養温度の違いによる遺伝子発現変化の解析を行い,詳細な線毛発現機構を明らかにする.また,マウス感染実験により,温度感受性の線毛発現の生物学的意義を明らかにする.
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Streptococcus sanguinis induces neutrophil cell death by production of hydrogen peroxide.2017
Author(s)
Sumioka, R., Nakata, M., Okahashi, N., Li, Y., Wada, S., Yamaguchi, M., Sumitomo, T., Hayashi, M., Kawabata, S.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 12
Pages: e0172223
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Evolutionary inactivation of a sialidase ingroup B Streptococcus.2016
Author(s)
Yamaguchi, M., Hirose, Y., Nakata, M., Uchiyama, S., Yamaguchi, Y., Goto, K., Sumitomo, T., Lewis, A., Kawabata, S., Nizet, V.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: 28852
DOI
Peer Reviewed
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