2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of expression mechanisms and adherence functions of streptococcal pili(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0306
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中田 匡宣 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (90444497)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 化膿レンサ球菌 / 線毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
化膿レンサ球菌はヒトを宿主として主に上気道と皮膚に局所性の化膿疾患を惹き起こす.本菌は血清型依存的に多様な線毛を産生するため,線毛タンパク質の抗原性は本菌の型別に利用されてきた.感染過程において,線毛は化膿レンサ球菌の宿主組織への付着やバイオフィルム形成を促すと考えられている.これまで,17種の血清型に属する菌株群を通常の培養温度と初発感染部位の温度を反映する低温で培養し,線毛産生量を検討したところ,特定の転写因子を有する菌株が低温でのみ線毛を産生した.この転写因子は線毛遺伝子の転写を促進することが使用菌株で確認された.また,転写因子のmRNA量は培養温度に影響を受けなかったが,培養温度の低下とともに転写因子のタンパク質検出量は増加した.無細胞転写翻訳システムを用いて環境温度が転写因子の翻訳効率に与える影響を解析した結果,mRNAからの翻訳量は温度の低下により上昇した.そこで,転写因子のmRNA構造を予測し,翻訳領域に位置する推定ステムループ構造に着目した.ステムループ構造に該当する染色体DNAにアミノ酸の置換を伴わず推定ステムループ構造を融解させうる変異を導入したところ,転写因子の翻訳量は減少し,低温での線毛検出量は減少した.同様に,推定ステムループ構造の変異により,無細胞転写翻訳システムにおいても転写因子の翻訳量は低下した.したがって,転写因子のmRNA 翻訳領域に位置する推定ステムループ構造は温度センサーとして機能し,線毛産生量を環境温度に依存して調節することが示唆された.
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Research Products
(28 results)
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[Int'l Joint Research] University Medicine Rostock(ドイツ)2017
Year and Date
2017-01-16 – 2017-03-30 | 2018-01-142018-02-15 | 2018-03-012018-04-01 | 2019-03-162019-03-31 | 2019-12-012019-12-26
Country Name
GERMANY
Counterpart Institution
University Medicine Rostock
Co-investigator Overseas
Bernd Kreikemeyer
Department
Inst. of Medical Microbiology
Job Title
Professor
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