2017 Fiscal Year Research-status Report
スフィンゴシン1-リン酸シグナリングによる癌転移メカニズムの解明(国際共同研究強化)
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15KK0307
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
梶本 武利 神戸大学, 医学研究科, 助教 (00509953)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | シグナル伝達 / プロテインキナーゼC / スフィンゴシン1-リン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究課題では、基課題の最終目標である「スフィンゴシン1-リン酸(S1P)シグナリングによるエクソソームへの積荷ソーティング機構を標的とする癌転移抑制剤の開発」を加速するために、エクソソームへの積荷ソーティングにおけるS1PによるプロテインキナーゼCζ(PKCζ)活性化のメカニズムを解明することを目的としている。 平成29年度は、「課題2」の「分子構造的アプローチによるS1P-PKCζ相互作用の詳細解明」を中心に研究を行った。具体的には「課題1」で同定したS1P-PKCζ相互作用について、より詳細な分子・原子レベルでの結合および相互作用様式を明らかにするために、PKCζの立体構造ホモロジーモデルを用いて誘導適合ドッキングシミュレーション法によるin silico解析を行った。その結果、オングストロームレベルでのS1P結合部位および結合に必須のアミノ酸の同定に成功した。 以上の結果は、本研究課題の目的達成および基課題の最終的な目標であるS1P-PKCζシグナリングによるエクソソームへの積荷ソーティングをターゲットとした癌転移抑制剤のリード化合物の開発を実現するために重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、「課題2」の「分子構造的アプローチによるS1P-PKCζ相互作用の詳細解明」を中心に研究を行った。 具体的には、「課題1」で同定したS1PとPKCζの相互作用について、誘導適合ドッキングシミュレーション法によるin silico解析を行った結果、分子・原子レベルでのS1P-PKCζ結合様式の詳細が明らかになった。 現在までのところ当初の計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、「課題2」の「分子構造的アプローチによるS1P-PKCζ相互作用の詳細解明」および「課題3」の「癌の増悪および遠隔転移におけるS1P-PKCζシグナリングの役割の解明」を中心に研究を進める。 具体的には、「課題1」および「課題2」の成果を基にS1Pによる制御機構を欠損したPKCζ変異体の構築およびS1P-PKCζシグナル機構を欠損した癌細胞の作製を進め、in silico解析で示したS1P-PKCζ相互作用のメカニズムが、実際に細胞内での生理的な環境におけるS1PによるPKCζ活性化においても機能することを明らかにする。またS1Pによる制御機構を欠損したPKCζ変異体の構築およびS1P-PKCζシグナル機構を欠損した癌細胞を用いて、癌細胞の増悪、特にエクソソームが関与する癌細胞の悪性化におけるS1P-PKCζシグナリングの重要性を検討する。さらに癌転移実験において野生型PKCζ発現癌細胞とPKCζ変異体発現癌細胞を比較することで、癌の増悪および遠隔転移におけるS1PによるPKCζ活性化メカニズムの役割を明らかにする。 また平成30年度には、本国際共同研究課題の研究成果を学会および雑誌論文において発表する。
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