2016 Fiscal Year Research-status Report
新規情報伝達因子エクソソームによる変形性関節症治療と診断への展開とその機能解析(国際共同研究強化)
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15KK0308
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
味八木 茂 広島大学, 病院(医), 講師 (10392490)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | 変形性関節症 / エクソソーム / microRNA / 軟骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、基盤研究B (H27-29)とともに、microRNA (miRNA)を含むエクソソームの機能をより明らかにすることで新たなOA発症ネットワーク機構の提唱とOA治療法や診断法の開発のために 1) miRNAを含むエクソソーム利用したOA治療効果の検討 2) miRNAを含むエクソソームに注目したOA診断マーカーの探索 3) OA由来エクソソームの性質およびその機能の解明を目的としている。本研究では、特に上記した 2) および 3) の一部について米国スクリプス研究所分子医学部門Martin Lotz教授と共同研究を行った。今年度は、ヒト膝関節より関節軟骨を採取し、病理組織学的解析および遺伝子発現解析の結果より、正常関節軟骨と初期OA、後期OA関節軟骨に分類し、各々の関節軟骨組織より軟骨細胞を単離・培養し、初代細胞および継代細胞、またこれらの各培養上清よりエクソソームを収集した。正常およびOA関節軟骨細胞で発現しているmiRNAおよびエクソソーム中のmiRNAを解析した結果、正常関節軟骨細胞で高発現および高分泌している数種のmiRNAは、OA関節軟骨細胞において発現が低下し、分泌型miRNAも低下していた。このmiRNAを組織特異的に過剰発現できるマウスを入手し、軟骨特異的miRNA過剰発現マウスを取得するためにアグリカンCreERTマウスとの交配を開始した。さらに、正常軟骨、OA軟骨およびこれら細胞由来のエクソソームの一部の糖鎖解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト膝関節より関節軟骨を採取し、病理組織学的解析および遺伝子発現解析の結果より、正常関節軟骨と初期OA、後期OA関節軟骨に分類し、各々の組織より軟骨細胞を単離・培養し、初代細胞および継代細胞、またこれらの各培養上清よりエクソソームの収集が順調に実施できており、軟骨特異的miRNA過剰発現マウス作製のための交配も進行中であることから概ね計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトサンプルの収集を計画通りに遂行していくと同時に、正常およびOA関節軟骨細胞由来のエクソソームによる血管形成抑制能や骨芽細胞、破骨細胞、滑膜細胞など関節構成細胞への影響を解析する。また、関節軟骨細胞由来のエクソソーム中に豊富に含まれているmiRNAの遺伝子改変マウスを用いた解析を進めていく。
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