2016 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経症状を伴うリソソーム病における神経変性メカニズムの解明(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0309
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辻 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 助教 (00423400)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2018
|
Keywords | リソソーム / オートファジー / リソソーム病 / 糖脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、リソソーム蓄積がTFEBの発現上昇及び活性化を引き起こすことで、オートファジーの亢進とオートリソソーム形成異常に繋がり、その結果として神経細胞死を起こしていると考え、リソソーム病における病態発現メカニズムを証明することを目的とした。 平成28年度は、共同研究先であるTIGEMで作製した脳特異的TFEB KO-Sandhoff病モデルマウスを用いて病態解析を行った。脳切片を用いた免疫組織化学及びWestern blottingの結果から、脳特異的TFEB KO-Sandhoff病モデルマウス(ダブルKOマウス:DKO)ではSandhoff病と比較してCleaved Caspase-3が増大しており、神経細胞死が亢進していることが明らかとなった。また、炎症性サイトカインのELISA及びグリアマーカーの染色の結果から、DKOではグリアの活性化も亢進していることが示された。さらにオートファゴソームマーカーであるLC3の増大及びリソソームマーカーであるLAMP1の減少が観察された。これらの結果は、リソソーム制御因子であるTFEBのKOにより、リソソームの新生(刺激により新たに合成されるリソソーム)が起こらなくなり、オートファゴソームとリソソームのバランスが悪くなった結果としてオートファゴソームの蓄積が起こり、オートファジーに異常が起こっていることが考えられる。 以上の結果より、リソソーム病においてTFEBはリソソームを新たに合成し、オートファジー異常を回避することで神経保護的に働いていることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、脳特異的TFEB KOマウスとリソソーム病モデルマウスの交配によりダブルKOマウスを作製し、その病態等について解析する計画であったが、予定通りに解析が進んでいる状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
ダブルKOマウスを用いた行動試験を行うと共に、CRISPR/Cas9システムを用いたTFEB KOモデル細胞を作製して、神経細胞死に関する詳細なメカニズムを解析する予定である。
|
-
[Journal Article] Protease-resistant modified human β-hexosaminidase B as a novel therapeutic enzyme for GM2 gangliosidosis.2016
Author(s)
Kitakaze K, Mizutani Y, Sugiyama E, Tasaki C, Tsuji D, Maita N, Hirokawa T, Asanuma D, Kamiya M, Sato K, Setou M, Urano Y, Togawa T, Otaka A, Sakuraba H, Itoh K
-
Journal Title
J Clin Invest
Volume: 126
Pages: 1691-1703
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-