2017 Fiscal Year Research-status Report
核酸医薬デリバリーにおける自然免疫活性化機構の解明とその制御に関する研究(国際共同研究強化)
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15KK0310
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 教授 (50325271)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | リポソーム / PEG / TI抗原 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、基課題の研究成果を基に、核酸・ナノキャリア複合体の自然免疫活性化機構を利用した静脈内投与型ワクチン開発に係る基礎的検討を進めている。申請者らは、微粒子表面に提示されたPEGが T細胞非依存性抗原として脾臓辺縁帯のB細胞受容体に認識され、濾胞へと送達される極めてユニークな現象を明らかにした。さらに、抗PEG抗体分泌がPEGと核酸(TLRリガンド)の共局在・共刺激によって増強された事から、核酸含有PEG修飾リポソームが脾臓濾胞への抗原送達体として優れているだけでなく、細胞選択的なアジュバントとしても機能するのではないかという仮説を得た。そこで本共同研究ではこれらの研究成果を基に、T細胞非依存性抗原(PEGおよびポリリポサッカライド)とTLRリガンドを共役したナノ粒子を創製し、これにT細胞依存的抗原を封入することで、T細胞非依存的免疫をうまく利用した静脈内投与型ワクチンの開発を目的として研究を進めている。昨年度に引き続き、超高速ナノ医薬作製装置(NanoAssemblr)を使用し、効率よくナノ微粒子が作製できるよう工夫した。がんワクチンへの応用として、担がんモデルマウスの系で検討を行ったところ、良好な抗腫瘍効果を示すことがわかり、微粒子の更なるチューンアップを進めている。一方で、静脈内投与により急性のアレルギー様反応を示すことも確認しており、効果と副作用のバランスをどのようにとるかが今後の課題となっている。この点に関しても、改善を目指し、共同研究先と議論を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究が進展するとともに、新規な知見も得られ始めている。また、共著での論文発表も間近となっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航前の事前の打ち合わせ、また予備検討を十分に行うことで、滞在が短期間であっても十分な成果を挙げられるように努める。さらには共同研究先に渡航前に製剤の調製を依頼し、到着後直ぐに試験をすることができるように調整を十分に行う。
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