2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mannupulating inate immunity for new vaccine against cancer(Fostering Joint International Research)
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15KK0310
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (50325271)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | リポソーム / PEG / TI抗原 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究では、基課題の研究成果を基に、核酸・ナノキャリア複合体の自然免疫活性化機構を利用した静脈内投与型ワクチン開発に係る基礎的検討を進めた。申請者らは、微粒子表面に提示されたPEGが T細胞非依存性抗原として脾臓辺縁帯のB細胞受容体に認識され、濾胞へと送達される極めてユニークな現象を明らかにしている。さらに、抗PEG抗体分泌がPEGと核酸(TLRリガンド)の共局在・共刺激によって増強された事から、核酸含有PEG修飾リポソームが脾臓濾胞への抗原送達体として優れているだけでなく、細胞選択的なアジュバントとしても機能するのではないかという仮説を得るに至った。そこで本共同研究ではこれらの研究成果を基に、T細胞非依存性抗原(PEGおよびポリリポサッカライド)とTLRリガンドを共役したナノ粒子を創製し、これにT細胞依存的抗原を封入することで、T細胞非依存的免疫をうまく利用した静脈内投与型ワクチンの開発を目的として研究を進めた。これまでの検討で、OVAをT細胞依存的抗原とし、これをPEG修飾リポソームに封入し、TLR刺激剤としてa-galactosylceramideを共封入した製剤を開発し、これをEG7-OVA(OVA発現がん細胞)移植モデルマウスに投与して腫瘍増殖抑制効果を評価したところ、良好な降下を得ることができた。また、治療期間を通じて、被験動物に顕著な体重減少が見られず、安全性に問題がないことが示された。また、同時に体液性免疫に関しても評価したところ、通常の皮下免疫法に比べて少ない抗原量でかつ少ない免疫回数で同等以上の特異抗体が誘導されることを確認した。本抗原封入ナノ粒子は、細胞性免疫も体液性免疫も同時に誘導できる有用なワクチンとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)