2017 Fiscal Year Research-status Report
低酸素虚血負荷後の脳循環と脳波測定による脳障害の重症度予測に関する基礎的研究(国際共同研究強化)
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15KK0311
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
中村 信嗣 香川大学, 医学部附属病院, その他 (30437686)
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Project Period (FY) |
2015 – 2018
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Keywords | 神経血管反応 / 胎児羊 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、新生仔羊10頭を用いて実験を行った。胎児羊同様に、それぞれにNIRSとEEGを大脳皮質感覚野部位の頭部に装着し、正中神経に電気刺激を加えた。電気刺激は、1.8,4.8,7.8秒と3種類の長さの異なる刺激を与え、その刺激時間と脳循環反応の関係を調べた。その結果、短い刺激では、反応はほとんど見られなかったが、刺激時間の延長と共に、刺激後の酸素化Hb上昇が顕著にみられ、その上昇のピークと血圧上昇のピークは一致した。そのため、刺激による血圧上昇が、脳循環に影響を与えていることが考えられた。これは、胎児羊では認めなかった反応であることから、胎盤がつながっている胎児羊では、この反応が見られない理由として、痛みの経路が機能的に未発達である事、また、痛みを緩和する物質が胎盤から胎児へ流入する(ステロイドホルモンなど)ことが考えられた。このように新生児では、出生後に急速に痛みの経路が発達・確立することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胎児羊と新生仔羊の感覚野における脳循環反応を調べ、それについてデータ解析並びに論文作成を行い、投稿・掲載まで行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、週数を若くしていった新生仔羊ではどのような感覚野の脳循環反応を示すのかを調べる予定である。
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