2017 Fiscal Year Research-status Report
1細胞レベルでの膵癌幹細胞の特性変化の細胞系譜的解析(国際共同研究強化)
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15KK0314
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
関根 圭輔 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00323569)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | シングルセルゲノミクス / 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、ヒト組織を構成する複数の細胞間の立体的な相互作用を再現することで機能臓器の創出技術を開発してきた。すなわち、ヒトiPS細胞由来肝内胚葉、血管内皮細胞、間葉系細胞を一定の条件で共培養することにより自律的な細胞凝集が生じ、肝臓原基(iPSC肝芽)が誘導されることを明らかにした(Takebe T, Sekine K et al, Nature, 2013)。 そこでこの技術を立体的ながん組織の人為的な再構成に応用し、患者由来プライマリ膵癌細胞より間質を含むヒト膵癌組織(膵癌オルガノイド)を再構成することに成功した(「腫瘍再構成法」特願2016-053074)。 本研究では、独・マックスプランク研究所Treutlein博士の元でCamp博士らとともにヒト立体臓器のシングルセルRNAシークエンス解析を実施した。構成細胞をそれぞれ別々に培養した際と、複数の細胞種が混ぜ合わされ立体的な組織が構成される際に初めて発現が見られる分子を詳細に解析することにより、細胞間相互作用に関わるシグナル候補を明らかにした。このシグナル候補分子の情報を元に機能解析を実施し、実際に複数のシグナル候補が立体的な細胞間相互作用に寄与することを明らかにした(Camp JG, Sekine K et al, Nature 2017)。更に、ここで得られた複数細胞間で見られる立体的な相互作用をより詳細に解析する目的で、相互作用に関わる分子の機能解析に向け、遺伝子改変技術を用いた網羅的スクリーニング手法の確立へ向けた共同研究に着手し、基礎的な検討を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに国際共同研究の成果として国際共同研究者との共著として2つの論文にまとめてきた(Sekine K, Camp JG et al., Nature 2017; Sekine K et al. 投稿中)。したがって、本共同研究は順調に進展しており、将来的に更なる成果も期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの共同研究を発展させ、さらに解析細胞数をこれまでの数百から千個程度から、数千から一万個程度に拡張するとともに、in vivoの薬剤応答などの影響の解析も進めていく予定である。一方で、更に研究を発展させるためこれまで共同研究の成果として抽出された複数の細胞種間の相互作用因子について機能解析についても共同研究として推進する予定である。
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Research Products
(13 results)