2016 Fiscal Year Research-status Report
新規脂質メディエーター・12-HHTの生理機能と病態における役割の解明(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0320
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
奥野 利明 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60361466)
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Project Period (FY) |
2015 – 2017
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Keywords | 脂質生化学 / 質量分析計 |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカ・コロラド州のコロラド大学デンバー校薬理学講座のロバート・マーフィー教授との共同研究により、本年度は二つの研究成果を得ることができた。 一つ目の研究成果は、不飽和脂肪酸の二重結合の位置を決定する手法の開発である。生体内の不飽和脂肪酸には特定の位置にシス型の二重結合が存在し、その場所や数が生物学的、及び化学的に重要であることが明らかにされている。しかし、不飽和脂肪酸に存在する二重結合の位置を同定する簡便な実験手法は未だ確立されていない。我々は、シリカキャピラリーを用い、不飽和脂肪酸をアセトン存在下でUV照射することによってパターノ・ブーチ反応を行わせた。さらに、二重結合にアセトンが付加された不飽和脂肪酸を三連四重極型の質量分析計で解析することで二重結合の位置を同定することに成功した。 二つ目の研究成果は、栄養飢餓状態による細胞膜脂質のリモデリングと産生するエイコサノイドに関する研究である。細胞膜のリン脂質の分子種はランズ回路と呼ばれる機構により不飽和脂肪酸が組み込まれることが明らかにされている。しかし、栄養飢餓状態で細胞膜の分子種がどのように組み替えられるのかはよくわかっていなかった。我々は、マクロファージ由来細胞を用いて、細胞膜のリン脂質の脂肪酸が20:3の脂肪酸に置き換わること、及び産生されるエイコサノイドが20:3のミード酸由来に置き換わることを明らかにした。この研究成果は、培養細胞においても、ランズ回路によって速やかに不飽和脂肪酸の分子種が置き換わること、また、それらから産生される脂質メディエーターを変化させることを意味している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究先のQ-STARの故障のため質量顕微鏡の研究は進んでいないが、並行して行った研究が十分に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
投稿中の論文のリバイスを行い、アクセプトされるように努力する。また質量顕微鏡を用いた研究を進展させる。
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[Journal Article] Leukotriene B4 receptor type 2 protects against pneumolysin-dependent acute lung injury.2016
Author(s)
Shigematsu M., T. Koga, A. Ishimori, K. Saeki, Y. Ishii, Y. Taketomi, M. Ohba, A. Jo-Watanabe, T. Okuno, N. Harada, T. Harayama, H. Shindou, J.D. Li, M. Murakami, S. Hoka, T. Yokomizo.
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 6
Pages: 34560
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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