2018 Fiscal Year Research-status Report
がん患者に対する緩和医療の質の評価方法の確立(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0326
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 光令 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90301142)
|
Project Period (FY) |
2016 – 2019
|
Keywords | 緩和ケア / 質評価 / 遺族調査 / 終末期医療 / がん / 非がん |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年9月27日~2018年3月31日まで英国King’s College London, Cicely Saunders Instituteに渡航し、国際共同研究活動を実施した。渡航の主たる目的は緩和ケアの質評価に関する共同研究であり、特に世界最先端の実績を有する遺族調査に関する共同研究である。 遺族調査に関しては渡航先機関で過去に実施された3つの遺族調査のデータの二次解析を行った。内容はがんおよび非がん患者の終末期医療の実態把握と死亡前の症状やケアに対する満足度の関連要因の検討である。解析は終了し、現在、論文投稿の準備中である。 また、英国政府の遺族調査関係者を訪問し、英国における実施状況や問題点、課題などについて情報収集した。この情報収集の結果は国立がん研究センターで2017年2~3月に実施したわが国初の死亡小票を利用した遺族調査のパイロット調査に反映させた。2018年度にはこのパイロット調査のデータ分析がなされ、2019年1月に5万人を対象とした遺族調査が実施された。 英国政府が実施している死亡小票に基づく遺族調査の調査票であるVOICES-SFの日本語への翻訳し、それを用いた遺族調査を実施した。これは前述の死亡小票による遺族調査とは別にJ-HOPE4研究の一部として実施され、2019年3月までに500名程度から回答を得た。 そのほかにもCicely Saunders Instituteとの共同研究をすすめており、特にIPOS(Integrated Palliative care Outcome Scale)に関しては、日本語版のホームページ及びマニュアルの作成を終え、認知症バージョンの作成の検討、非がん患者における信頼性・妥当性検討などを開始している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
J-HOPE4研究は多施設共同遺族調査であるが、倫理委員会がない施設からの東北大学への審査委託や発送に時間がかかり、当初の予定より大幅に遅れ2019年3月に調査票の回収を終えた。そのため、データの分析や発表が未達成である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度に年に本研究費で開発したVOICES-SF調査票を用いた遺族調査J-HOPE4研究の分析を終え、発表する。
|