2016 Fiscal Year Research-status Report
狂犬病ウイルスを用いた網膜神経節細胞と大脳視覚領域との多シナプス性構造基盤の解明(国際共同研究強化)
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15KK0333
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤村 裕正 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70444081)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 頭頂葉 / 視覚認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではaction observation機能をヒトfunctional MRI(fMRI)を用いて詳細に調べることにより頭頂葉を中心とした高次視覚情報処理機構の機能的・解剖学的構造基盤の一端を明らかにすることを目標としている。 2016年9月より2017年3月までイタリア国パルマ大学の神経生理学教室に渡航し共同研究を行った。男女を演者として、対象物であるピンポンボールを「はじく」動作を複数回行ってもらう動画を撮影し、fMRIで用いる視覚刺激とした。視覚刺激作成後、11月より被験者の撮影を開始した。課題は固視課題とした。7名の被験者を撮影し、頭頂葉のphAIP(putative human homolog of anterior intraparietal) 領域、前頭葉のpremotor領域を中心にsingle voxel analysis を用いて解析を行った。結果、phAIP領域、premotor領域では特異的な活動は認められなかった。そこでactionの属性(演者の性別、対象物の色、actionの回数)に注目させ被験者に回答させる2肢強制選択課題を用いてfMRIの撮影を行った。3名の被験者を撮影した結果、MT領域・phAIP領域・premotor領域を中心としたaction observation ネットワークが活動していることが示され、既知の結果と矛盾しない結果が得られた。次に、演者に「押す」と「はじく」の2つのactionを施行してもらう別の視覚刺激を用意し、被験者には演者がどちらのactionを施行したか回答してもらう2肢強制選択課題を用いてfMRIの撮影を行った。1名の被験者のみではあるが、phAIP領域に特異的な活動が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
action observation ネットワークを調べるためのfMRI撮影が比較的順調に進んだものの、予期していた結果が未だ得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在1名の被験者のみの結果であるため、今後被験者の数を増やして解析を行う予定である。
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