2017 Fiscal Year Research-status Report
患者由来腫瘍異種移植片モデルを用いた腺様嚢胞癌の進展機序の解明(国際共同研究強化)
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15KK0334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 瑞生 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60511467)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 癌ゲノム解析 / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では基課題を発展させ、発癌関連遺伝子の転写調節に関する基礎研究を拡張することを主な目標とする。癌ゲノムの静的情報だけでなく、経時的に得られる動的情報を用いて転写調節に関する基礎研究を行う計画である。ゲノムおよびエピゲノムの観点から統合的に検討するため、ヒトの癌組織および正常組織を用いて、Exome-seqによる遺伝子変異解析、RNA-seqによる遺伝子発現解析、MBD-seqによるDNAメチル化解析を実施した。さらにヒストン修飾解析のためクロマチン免疫沈降シーケンス(ChIP-Seq)を実施した。データ解析のためには、一般に用いられるアルゴリズムだけでなく、独自の解析パイプラインを構築した。 当初予定していた腺様嚢胞癌だけでなく、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連中咽頭癌も解析対象としている。一部の症例では患者由来の腫瘍塊をマウスに直接移植するPDX(Patient-Derived Xenograft)モデルから得られた腫瘍組織も並列して解析することができた。選択的スプライシングによって得られる転写産物の多様性(スプライスバリアント)の検出にも成功した。これらを統合的に解釈することによって、発現変動遺伝子における遺伝子変異やクロマチン構造の影響をゲノムレベルで検証することが可能になりつつある。また、得られたデータ解析結果の検証するため、公共データベースの利用や、実験的手法による確認実験も開始した。本研究の派生的研究内容も並行して進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子変異解析、遺伝子発現解析、DNAメチル化解析のデータを取得し、bioinformatics 部門と共同してデータ解析を進めている。同時に、得られた結果を分子生物学的手技により検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き解析を継続する。PDXモデルによる薬剤有効性の検討も推進していく。
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