2016 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血時における血液脳関門の破綻及び修復機序の解明(国際共同研究強化)
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15KK0349
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
諸藤 陽一 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40437869)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 血液脳関門 / 脳虚血 / 3次元モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の執行開始日は平成29年3月10日であり、平成28年度実績は限定的である。3Dモデルにおいては、ワシントン大学Banks WA教授に依頼し、platformを試作、直径30μmのコラーゲンチューブに内皮細胞を培養し、さらに周囲にペリサイトやアストロサイトも培養した上で灌流することに成功した。本共同研究に関しても全面的な協力を約束いただき、準備に着手している。また、細胞培養及び血液脳関門(BBB)機能検定などに優れているハンガリー生命科学研究所のDeli M.教授にも協力を確約いただいた。Deli M.教授もBBB領域の世界的な権威であり、平成25年にはBBB領域で最大の国際学会を主催している。今後、日米欧共同で灌流型3次元in vitro血液脳関門モデルの開発及び脳虚血時における血液脳関門破綻及び修復機序の解明を行いたいと考えている。Deli教授とはこれまで血液脳関門のモデル開発を共同で行っており、血管内皮細胞、ペリサイト、アストロサイトの初代培養細胞の培養法など検討を重ねてきた。使用する実験器材、酵素、抗体などを3研究室で統一し、本研究においても共同研究をスムーズに開始できる環境を整備した。予備実験を行い、虚血再灌流及び炎症刺激によるBBB破壊に対し、スタチンが拮抗的に働くことを明らかにした。その過程において、スタチンがBBB構成細胞より産生される炎症性サイトカインを強力に抑制していることも発見した。さらに炎症惹起物質である LPS (lipopolysaccharide)をBBBモデルの血管腔側に負荷した際に、容量依存的にBBBを破壊することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の執行開始日は平成29年3月10日であり、平成28年度実績は限定的であるが、平成29年度の実験開始準備は十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
我々のもつ血液脳関門における初代培養細胞を使用した血液脳関門モデルの技術とワシントン大学における学際的ネットワークを融合させることで、研究を飛躍的に発展させることができる。また、それぞれの地域で研究成果の発信を行うことで、更なる協力施設、連携施設を獲得できると考えている。
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Research Products
(1 results)