2017 Fiscal Year Research-status Report
A novel strategy for treatment of diabetes by immuneregulation(Fostering Joint International Research)
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15KK0355
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
平井 敏仁 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70722693)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 調節性T細胞 / 自然免疫 / 移植片対宿主病 / 移植免疫寛容 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的に、免疫能とは細菌やウイルスから我々の体を守る能力と理解されている。一方、免疫能は過剰な免疫反応から我々の身を守る制御機構も備えている。免疫制御の中心的役割を果たすのが調節性T細胞(regulatory T cell; Treg細胞)であり、近年、Treg細胞を抽出分離してI型糖尿病などの自己免疫性疾患や移植臓器拒絶反応、あるいは骨髄移植後の移植片対宿主病(Graft versus Host Disease; GvHD)を治療しようとする臨床試験が本格的に始まっている。 Invariant Natural Killer T細胞(iNKT細胞)は免疫制御を担当する自然免疫細胞であり、Treg細胞と同じく免疫制御において重要な役割をもつ。我々はこれまでのマウスを用いた骨髄移植実験モデルで、iNKT細胞を活性化することで軽い前処置でもドナー骨髄の生着が得られることを報告している。この方法を応用すれば、免疫抑制剤を使わずに臓器移植を行うことも可能である(移植免疫寛容の確立)。
Stanford大学骨髄移植チームは既にTreg細胞を利用したGvHD治療、リンパ球限局放射線照射法による移植免疫寛容誘導法などの臨床試験を世界に先駆けて実施している。本国際共同研究では同チームのリーダーであるR. Negrin研究室とともにiNKT細胞を利用した新規免疫制御治療法の確立を目指す。これまでの研究では、Treg細胞療法にiNKT細胞活性化を併用することで、従来のTreg細胞療法と比べ効率よくGvHDを予防できることが確認された。従来法では必要なTreg細胞数を確保することが困難であったため、本ストラテジーの導入によりTreg細胞の必要数を少なくできれば、さらなる臨床適応の拡大が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はiNKT細胞療法のGvHD治療への応用、および移植免疫寛容誘導への応用の2つのprojectで構成されている。GvHD治療への応用に関しては、Treg療法との併用による新しい治療モデルが確立した。さらに本実験モデルを使い、GvHD制御に重要な役割を持つiNKT細胞の起源を同定している。日本国内で開発した移植免疫寛容誘導モデルについては、米国での再現に成功した。本モデルに骨髄生着を可視化するためのimaging解析を導入し生着、拒絶の継時的変化が明らかとなった。またStanford大学で臨床試験中のリンパ節限局照射療法のマウス実験モデルとiNKT細胞活性化療法の併用実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
GFP-Foxp3マウスを用いることで移植後のiNKT細胞とTreg細胞の相互作用をsingle cell RNseqで解析する。Foxp3-Luciferase遺伝子導入マウスを用いることで、治療後のTreg細胞in vivo追跡を行う。 また、iNKT細胞活性化を利用した移植免疫寛容誘導法をS. Strober研究室と、膵島移植への応用研究をE. Meyer研究室と共同で進める。Treg細胞培養、iNKT細胞培養を用いたプロトコールへの応用も検証することで、より確実に臨床実施が可能な方法の樹立を目指す。
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Research Products
(1 results)