2018 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病の根治を目指した免疫制御治療の新戦略(国際共同研究強化)
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15KK0355
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
平井 敏仁 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70722693)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 調整性T細胞 / iNKT細胞 / IL2 / OX40 / 臓器移植拒絶 / 移植免疫寛容 / 移植片対宿主病 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス移植片対宿主病(GvHD)モデルにおけるiNKT細胞と調節性T細胞(Treg)の関係を調べるため、Foxp3-GFP-luciferase遺伝子導入マウスから採取したTreg細胞をレシピエントマウスに移入後、Treg細胞の動態をliposomal alpha-GalCer治療群と非治療群で比較した。治療群はflow cytometry、bioluminescence imagingにて有意な移入Treg細胞の増加を示し、生存期間が延長した。移植後に回収したTreg細胞のsingle cell RNA-sequencing解析で活性化マーカーのtranscriptome発現上昇、TCRレパートアのpolyclonal expansionが確認されたことから、Treg増殖はiNKT細胞活性化に伴う汎発な増殖反応である可能性が示唆される。Treg増殖に関与したiNKT細胞の由来を明らかとするために行ったレシピエント、及びドナーiNKT細胞ノックアウトマウスを用いた実験より、治療効果発現にはレシピエントiNKT細胞が必須であることが示された。移入Treg細胞をさらに増殖させるため、同実験系に遺伝子工学アプローチを加える手法を導入した。Treg細胞に野生型IL2に反応しない変異型IL2レセプター遺伝子(ortho IL2Rbeta)を導入し、レシピエントマウスに移入した後、この変異型レセプターにのみ反応する変異IL2(ortho IL2)を投与することで、移入Treg細胞を選択的に増殖させることに成功した。本技術の導入により治療群のGvHD発症率の低下、骨髄生着率の上昇を得た。同ストラテジーを心臓移植系へ応用するため、拒絶反応に関与するT細胞をZr89ラベルOX40抗体を用いて可視化する方法を導入。これにより拒絶反応の新規イメージング技術を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画ではalpha-GalCerを用いたTreg細胞の活性化を目指したが、ortho IL2Rbの遺伝子導入法を取り入れることでさらなる治療効果の改善が期待されることが明らかとなった。Single cell RNA解析によりこれまで不明瞭であったTreg細胞によるGvHD予防機序の分子的解析が進んでいる。シグナルbioenginealingの前臨床試験のためにC.Galciaラボと、新規画像診断ツール開発のためにS.Gambhirラボとのコラボレーションを開始、成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
Treg細胞single cell RNA sequencing結果をcomputational解析することで得られた情報から、そのbiologicalな効果をin vitro およびin vivoで追証する。 Treg gene editingによるGvHD予防効果、免疫寛容誘導効果の最大化のためにモデルを再検証する。具体的には、C.Makcalラボと共同で開発したautocrin ortho IL2システムを導入して効果確認する。さらにこのコラボレーションで得られた知見をMakcalラボにてCAT T細胞療法へfeedbackする。 Gambhir lab及び移植外科ラボと共同で、マウス腎移植モデルを用いた移植腎CIBERSORT解析を行い、移植腎拒絶に重要な分子マーカーをcomputationalに同定する。これをPET解析にてvisualizeすることで、新規臨床ツールの開発を企画する。 a-GalCerおよびTreg gene editing systemのTLIモデルへの応用をS.Stroberラボと進める。同時に、彼らの行う移植免疫寛容臨床試験の日本への導入の準備を行う。
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Research Products
(1 results)